KJ法のやり方｜5ステップで実践！個人・チームの生産性UPツール紹介

KJ法を実際にどのように進めるのか、その具体的な手順を必要な準備と5つの主要ステップに分けて解説します。
準備段階から最終的なまとめまで、各ステップで押さえるべき重要なポイントも紹介します。
この手順に沿って進めることで、初心者の方でもKJ法を効果的に実践し、質の高い洞察ができるようになるはずです。

ステップ0（準備）：KJ法の効果を高めるテーマ設定と必要ツール

まずKJ法を始める前に、その効果を最大限に引き出すための準備を行います。
最も重要なのは明確なテーマ設定です。

何について考えたいのか、どのような問いに対する答えを求めているのかを具体的に定義することで、情報収集や議論の焦点が定まり、KJ法のプロセス全体が意味のあるものになります。
次に、実施に必要な物理的なツールを用意します。
用意する主なものは以下のとおりです。

• 付箋ラベルカード：アイデアや情報を1枚1項目で書き込む、複数色あり、大きさ・書きやすさ・貼り剥がしやすさが重要なもの
• ペン：付箋記入用で、参加者全員が読みやすい太さのサインペンやマーカーが推奨される筆記具
• 模造紙ホワイトボード：作成した付箋を貼り出し全体を俯瞰するための広いスペース（ホワイトボードが便利だが模造紙や壁面で代用可能な場所）

ステップ1：ラベル作成

設定されたテーマに基づき、参加者は思いつくアイデア・事実・意見・キーワードなどを1枚の付箋ラベルに1項目ずつ、具体的かつ簡潔な言葉で記述していきます。
ラベル作成の段階では、質よりも量を重視し、自由な発想が生まれるようにしましょう。

他者の意見を批判したり、評価したりすることは避けてください。
ラベル作成時の留意点は以下のとおりです。

• 付箋ラベルカード：アイデアや情報を1枚1項目で書き込む、複数色あり、大きさ・書きやすさ・貼り剥がしやすさが重要なもの
• ペン：付箋記入用で、参加者全員が読みやすい太さのサインペンやマーカーが推奨される筆記具
• 模造紙ホワイトボード：作成した付箋を貼り出し全体を俯瞰するための広いスペース（ホワイトボードが便利だが模造紙や壁面で代用可能な場所）

書き出したラベルは、まず参加者全員が見渡せるように模造紙やホワイトボードにランダムに貼り出していきます。

ステップ2：ラベルグループ化

全てのラベルが出そろったら、それらを意味的な近さに基づいてグループ化する作業に移ります。

参加者は貼り出されたラベルを一枚一枚丁寧に読み、内容が類似しているもの、本質的な関連性が高いと感じるものを集めて、小さなグループを作っていきます。
重要なポイントは、表面的なキーワードの一致ではなく、それらのラベル群が全体としてどのような目的や意味合いでつながっているかという目的ベースで親和性を見出すことです。

この段階ではラベルに書かれている言葉以上のことを深読みせず、客観的にグループ化を進めます。
最初は2枚から3枚程度の小さなグループから始め、無理に大きなグループを作る必要はありません。
また、他のどのラベルとも関連が見いだせないラベルは、孤立ラベルとして独立させて構いません。

ステップ3：表札作成

小さなグループが形成されたら、次にそれぞれのグループに対して、その内容を最も的確に表現する表札ひょうさつグループ名タイトルを作成します。

表札は、グループ内に集められた複数のラベルが共通して示している意味や本質、あるいはそれらを束ねる上位の概念を、簡潔かつ具体的な言葉で表現する必要があります。
単なるラベルの要約ではなく、グループ全体としての意味合いを捉えることが重要です。
グループ名を決定する際には、参加者全員がその表現に納得できるかを確認しながら進めることが望ましいでしょう。

ステップ4：グループ編成と図解化

作成された表札を持つ小グループ同士をさらに比較検討し、関連性の高いもの同士を集めて、より大きな中グループ、さらには大グループへと段階的に編成統合していきます。

この作業を繰り返し、最終的に全体像が把握しやすく、分析に適した数（例えば5個から10個程度）のグループ数にまとめ上げます。
グループの編成がある程度進んだら、それらのグループ間の関係性を視覚的に表現する図解化空間配置を行います。

その際に意識すべき点は、以下の2点です。

• 関係性の明示：グループ同士の関係性（原因結果、対立、包含など）を図の上で分かりやすく表現すること
• 空間配置の工夫：関連の強いグループを近く、対立するグループを離すなど、空間的なレイアウトで関係性を示唆する手法

ステップ5：叙述化

KJ法の最終ステップは叙述化、すなわち文章化です。
完成した図解全体を俯瞰し、そこから読み取れる情報の構造、重要なパターン、得られた洞察、導き出される結論などを、論理的で分かりやすい文章としてまとめ上げます。
図解が示している情報群の関連性や意味合いを、あたかも一つのストーリーとして他者に説明するように記述することがポイントです。

叙述化によって、KJ法を通じて行われた一連の思考プロセスが具体的な成果物となり、関係者間での共有や次のアクションプラン策定へとつなげることが可能になります。