仕事をする上で頭を悩まされるのは、限られた時間のなかで以下にタスクを完了させるか、大変な状況を打破するようなアイデアをいかに生み出していくかという点ではないでしょうか。

マインドマップは、思考を可視化し、整理することで、問題解決やアイデア創出を促進する強力なノート整理術として知られています。

しかし、その一方で上手く使いこなせる方が少ないのも事実です。

実際、僕自身はマインドマップ自体は知っていたものの、使いこなすにはほど遠い状態でした。

この章では、マインドマップ初心者の方から、既に活用している方まで、幅広い読者に向けて、以下の内容について詳しく解説します。

仕事にマインドマップを活用

仕事の効率化・アイデア出しに効果的!マインドマップとは

マインドマップを仕事に活用する前に、まずその全体像を大まかに理解しておきましょう。

この章では、マインドマップとはどのようなものかと、その歴史について解説します。

マインドマップとは何か

マインドマップは、キーワードやトピックを中心に置いて、放射線状に関連語やアイデアをつなげ、枝分かれさせる思考術です。

人の脳の働き方に基づいた方法で、思考を可視化することで、以下の効果が期待できます。

  • 思考の整理・活性化
  • 新たなアイデアの創出
  • 記憶力・集中力の向上
  • 問題解決能力の向上

マインドマップのアイデアとしては決して新しいものではありませんが、現在も仕事や教育の場面でマインドマップが利用されています。

とても実用性の高い手法であるといえるでしょう。

マインドマップの歴史

マインドマップは、1970年代にイギリスのトニー・ブザン氏によって体系化されました。

起源は、古代ギリシャのアリストテレスであるともいわれています。

ブザン氏は、マインドマップに関する書籍を多数出版しており、その多くが日本語に訳されています。

結果的に、マインドマップの手法は世界的に広がりました。

そして、近年はデジタルノートアプリの利便性が高まるなかで、マインドマップがより手軽に作成できるようになっています。

従来はパワーポイントや専用アプリを使用する必要がありましたが、複雑な操作をしなくても誰もがマインドマップを作成できるようになったのです。

仕事で使用するツールには、効果だけでなく効率や手軽さももとめられます。

WebツールやAIなどの台頭により、マインドマップが仕事に活用しやすい状況になったといえるでしょう。

仕事で使用する際のマインドマップの基本的な描き方

マインドマップは自由な発想で描けばよいといわれており、複雑なルールはありません。

それでも、基本的なルールを覚えておくことでより効率的・効果的にノートを作成できます。

この章では、仕事などの実践的な場面でも利用できるようにするため、マインドマップを紙に書き出す方法をご紹介します。

準備

マインドマップを描くための準備をします。

やるべきことはとてもシンプルです。

  1. A4サイズの紙とペンを用意する
  2. テーマを決める
  3. 広い場所を確保する

視認性のよいマインドマップの作成には、2~3種類のカラーのペンを用意するとよいでしょう。

中心のテーマを書き出す

用紙の中央にメインテーマを大きく書き出します。

テーマを作成する際には、以下の点に注意してください。

  • 1文で表す
  • テーマを明確にする
  • 具体的なテーマを設定する

最初のテーマが明確でないと、求めているアイデアは出てこないため、本質を見誤らないようにしましょう。

特に仕事でマインドマップを使用する場合は、中心にゴールをしっかりと設定することが重要です。

関連Wordやイメージを放射状に書き出す

中心テーマから思い就く関連する言葉を放射状に書き出してきます。

ポイントは、最初から完璧なマインドマップを作成仕様とするのではあなく、思い就くままに言葉を書き出すことです。

また、関連語は具体的な事柄だけでなくイメージも積極的に書き出しましょう。

イメージの断片を記載したら、関連する言葉やイメージを線でつなぎましょう。

枝を広げる

関連する言葉やイメージからさらに関連する言葉やイメージを書き出して、枝分かれを広げます。

枝分かれを広げるときのポイントは以下の2点です。

  • 関連ワードやイメージを深掘りして、より詳細な情報を書き出します
  • 「なぜ」「どうして」と質問形式でトピックを考えて、テーマを掘り下げたり、新たな切り口を探したりする

僕自身の仕事においては、ディレクターやライターとして多くのWebライターの方の記事や構成案に目を通しています。

その中で、よく感じることがテーマの深掘りが浅いということです。

もし、「考えが浅い」「資料の作り込みが甘い」といった指摘を受けたことがある方が入らしたら、マインドマップの枝の広げ方を理解することが解決の糸口になるかもしれません。

情報を整理する

書き出した情報を視覚的に見やすくするために、色分け・記号やイラストの仕様・レイアウト装飾などをおこないます。

情報の整理は非常に重要ですが、こだわりすぎると手間がかかり、ノート作成がおろそかになりがちであるため、必要最小限におさえるとよいでしょう。

完成

全体を見返して、不足や矛盾がないことをチェックします。

チェックの家庭で重要なポイントがロジカルシンキングの考え方です。

特に、MECEについては内容を正しく理解することが重要です。

マインドマップの仕事における利用シーン

マインドマップが実際にどのような場面で利用されるのかについて確認しておきましょう。

この章では、個人利用の場合を中心にマインドマップの活用シーンについて解説します。

個人での利用シーン

マインドマップは、主に個人での利用シーンで利用が可能です。

項目別に個人でのマインドマップ利用シーンをご紹介します。

思考の整理

特に仕事をしたり、ブログを作成したりするときにはさまざまなアイデアが浮かんで、思考が散らかってしまいがちです。

アイデアが散らかったままだと結論が出にくいため、マインドマップを活用して思考をまとめるとよいでしょう。

  • 複雑な問題の分解:大きな問題を小さく分解することで論理的な思考に役立ちます
  • 論理的な思考のサポート:情報を階層的に整理できるため、問題の本質を見抜けます
  • 多角的な視点への気づき:一つの問題にさまざまな角度からアプローチできます

アイデアの創出

マインドマップは、アイデアを自由に創出して新たな発見をするためのツールとしても活用できます。

マインドマップには固定のルールがないため、自由にアイデアを書き出せます。

さらに生まれたアイデアの種を関連情報を整理して行動計画に落とし込むことも可能です。

最終的なゴールを設定して、現在地からのプロセスをマインドマップで記述すれば、目標達成に向けてのフローの可視化にも役立つでしょう。

学習効果の向上と知識の定着

マインドマップは、学習効率のアップ・知識の定着にも効果的なツールです。

例えば、読書や受講したセミナーの内容をマインドマップにまとめることで、全体像を理解したうえで、記憶に残りにくい情報を記録できます。

また、ブログ記事やレポートを作成する際にマインドマップを使用すると、参照したWebサイトや文献の参考・引用箇所の整理に効果的です。

自己分析・目標設定

マインドマップは、十個分析や目標設定に役立ちます。

例えば、大きな目標や工程の多い事柄を設定する場合、マインドマップに書き出すことで、やるべきことを細分化して視覚化できます。

チームでの活用

マインドマップは、一人で利用する場合だけでなく、チームでビジネスをする場合にも利用できます。

特に効果的な場面についてご紹介します。

ブレインストーミング

マインドマップは、自由な発想や創造を重視するブレインストーミングととても相性のよいツールです。

個人でのアイデア創出をチームに活用するといったイメージです。

また、メンバーから出された意見を視覚的に共有する際にも役立つので、メンバー間の相互理解に役立ちます。

プレゼンテーション

プレゼンテーションをする際に、マインドマップで資料を作成すると、受講者に対して情報を的確に伝えられます。

常に全体像とアイデアの断片を意識しながら、複雑な情報でも分かりやすくまとめられます。

マインドマップをどのように仕事に活用しているか?

この章では、僕が実際にマインドマップをどのように活用しているのかについて解説します。

僕は、マインドマップに関しては全く上級者ではありません。

どちらかといえば、頭の中にあるアイデアを箇条書きでまとめるほうが好きでした。

しかし、最近では僕もマインドマップを使用しています。

それは、ノートアプリを活用することで、以前感じていたマインドマップ作成の煩わしさが解消されたからです。

マインドマップ作成の煩わしさとは、具体的にいえば、色の付いたペンを用意するのが面倒だったり、上手にマップが描けなかったりといったことです。

そのため、ときどきマインドマップを使用することはあっても、継続的に使い続けることはありませんでした。

しかし、今、僕は以下の用途でマインドマップを使用しています。

  • ブログの構成作成
  • プロジェクトの全体像の把握
  • プレゼン資料の作成
  • 電話メモ
  • 会議の議事録
  • アイデアまとめ

毎日何らかの形でマインドマップを作成している状態です。

僕自身の仕事でのマインドマップの作成は拍子抜けするほどシンプルです。

おそらく箇条書きによるリスト化とほとんど変わりありません。

逆にいえば、Webツールを使用することにより、小さな手間で希望していたマインドマップが作成できるようになったということです。

仕事での活用におすすめのマインドマップ作成ツール3選

マインドマップを作成するためのWebツールは数多くリリースされています。

しかし、実際にいくつか試してみましたが、使いやすいツールはそれほど多くありません。

この章では、僕が実際に利用して使いやすいと感じたマインドマップツールをご紹介します。

Heptabase: 思考を深掘りし、アイデアを形にするオールインワンツール

仕事でマインドマップを作成する際に最もおすすめしたいのがHeptabaseです。

正直なところ、僕はマインドマップを描くためのWebツールは、Heptabase一択だと思っています。

使用しやすさと利便性が際立っているためです。

そういう点では、Heptabaseは、単なるマインドマップツールとは異なります。

思考を整理し、アイデアを深掘りし、プロジェクトを管理するためのオールインワンツールです。

Heptabaseの特徴

  • 自由度の高いキャンバス: 従来のマインドマップのように制限がなく、アイデアを自由に配置できます。
  • 豊富なコンテンツ形式: テキスト、画像、動画、リンクなどを埋め込むことができ、表現の幅が広がります。
  • ワンストップ: 視認性の高いマインドマップ・ノート・メモ・タスク管理などの幅広い機能が立った3つの機能の中にきれいに集約されています。

こんな方におすすめ

  • アイデアを深く掘り下げたい方
  • マインドマップの一つひとつの枝葉を深掘りしたい方

Heptabaseを使った思考整理については、「思考整理の救世主!マインドマップでアイデアを広げる」で解説しているので、詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてください。

Notion: 多機能でカスタマイズ性の高い万能ツール

Notionは、ノート・データベース・タスク管理など、様々な機能を備えた万能ツールです。

厳密にいえばマインドマップ機能を搭載している訳ではないものの、テンプレートなどを上手く使えば、マインドマップのように使用することも可能です。

アイデアを整理したり、プロジェクトの進捗を管理したりするのに役立ちます。

Notionの特徴

  • 多機能性: ノート、データベース、タスク管理など、様々な機能を1つのツールで完結できます。
  • カスタマイズ性: テンプレートやブロックを組み合わせて、自分だけのワークスペースを作成できます。
  • チームでの利用: リアルタイムでの共同編集やコメント機能で、チームでの情報共有がスムーズに行えます。

こんな方におすすめ

  • 1つのツールで様々なことを管理したい方
  • 自分好みにツールをカスタマイズしたい方
  • チームで情報共有をしたい方

Wondershare EdrawMind: 直感的な操作で簡単にマインドマップを作成できるツール

Wondershare EdrawMindは、直感的な操作で簡単にマインドマップを作成できるツールです。

EdrawMindは、買い切りでツールを購入したい方におすすめです。

Wondershare EdrawMindの特徴

  • 豊富なテンプレート: ビジネス、教育、個人など、様々なシーンで使えるテンプレートが豊富に用意されています。
  • 美しいデザイン: テーマやレイアウトをカスタマイズして、見やすいマインドマップを作成できます。
  • プレゼンテーションモード: 作成したマインドマップをスライドショー形式で発表できます。

こんな方におすすめ

  • マインドマップ初心者の方
  • 手軽にマインドマップを作成したい方
  • プレゼンテーションでマインドマップを使いたい方

まとめ

マインドマップは、思考を可視化し、整理、活性化を促すツールです。1970年代にイギリスのトニー・ブザン氏によって体系化され、ビジネス、教育、個人など、幅広い分野で活用されています。 近年ではデジタルツールとの相性も良く、手軽に作成できるようになりました。 マインドマップの基本的な描き方は、紙とペン、テーマを決め、中央にメインテーマを書き出し、そこから放射状に関連語やイメージを繋げていくことから始まります。 自由に発想を広げ、枝分かれを深掘りし、情報を整理することで、視覚的に分かりやすいマインドマップが完成します。 マインドマップは、個人では、思考の整理、アイデア創出、学習、自己分析などに役立ちます。 チームでは、ブレインストーミングやプレゼンテーションなど、コミュニケーションを円滑に進め、創造性を高めるためのツールとして効果を発揮します。