Excelやスプレッドシートをメモ帳代わりに使い続けて、4年後に気づいたことがあります。検索しづらい、見返せない、1か月前のメモが見つからない──これらの問題は、ツールの使い方ではなく、ツールの選び方に原因がありました。
フリーランス在宅ワーク歴9年の私が、Googleスプレッドシートでの議事録管理からAmplenoteとObsidianに移行した経験をもとに、Excelメモ機能の基本操作から限界、そして代替アプリ5選までを解説します。
この記事でわかること
Excelのメモ機能は便利ですが、メモ用途には設計されていないため、量が増えるほど非効率になります。
- Excelメモ機能(メモ・コメント)の基本操作と使い分け
- 4年間スプレッドシートでメモを取り続けて気づいた3つの限界
- 用途別に選べる代替メモアプリ5選と比較表
Excelのメモ機能の使い方(基本操作)
Excelには、セルに付箋のようなメモを残せる機能があります。Microsoft 365以降では「メモ」と「コメント」が別の機能として分かれており、混同しやすいポイントでもあります。まずは基本操作を押さえておきましょう。
セルにメモを挿入する手順
Excelのメモ機能は、セルに補足情報を残したいときに使います。操作は以下の3ステップです。
| ステップ | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | メモを挿入したいセルを選択し、[校閲]タブ →[メモ]→[新しいメモ]をクリック |
| 2 | 表示された黄色い枠内にメモの内容を入力する |
| 3 | 任意のセルをクリックして確定する |
メモが挿入されたセルの右上には赤い三角形のマーカーが表示されます。セルにマウスポインタを合わせるとメモの内容がポップアップで確認できます。
右クリックメニューからも「新しいメモ」を選択できるので、慣れている方で操作してください。
コメント機能との違い(Microsoft 365以降の変更点)
Excel 2019以前では「コメント」と呼ばれていた機能が、Microsoft 365では「メモ」に名称変更されました。そして新たに追加された「コメント」は、スレッド形式で返信ができる別の機能です。
| 機能 | 用途 | 返信機能 | 表示方法 |
|---|---|---|---|
| メモ | 自分用の覚書・補足情報の記録 | なし | セルにマウスを合わせると表示 |
| コメント | 共同作業でのやり取り・質問 | あり(スレッド形式) | 紫のマーカーをクリック、または校閲タブから一覧表示 |
共同作業で質問や議論をしたい場合はコメント、自分だけの覚書を残したい場合はメモと使い分けるのが基本です。
メモの編集・削除・表示/非表示の切り替え
一度作成したメモは、以下の操作で編集・削除・表示切り替えができます。
| 操作 | 手順 |
|---|---|
| 編集 | メモが挿入されたセルを選択 → Shift + F2キー(またはセルを右クリック →「メモの編集」) |
| 削除 | セルを右クリック →「メモの削除」 |
| 個別の表示/非表示 | セルを右クリック →「メモの表示/非表示」 |
| すべてのメモを一括表示 | [校閲]タブ →[メモ]→「すべてのメモを表示」 |
メモの枠はドラッグで移動できるため、セルの内容と重なってしまう場合は位置を調整しておくと見やすくなります。
なお、メモは既定の設定では印刷されません。印刷したい場合は、[ページレイアウト]タブ → シートオプションの「コメントとメモ」欄で「シートの末尾」または「画面表示イメージ(メモのみ)」を選択してください。
Windowsメモ帳のデータをExcelに取り込む方法
Windowsの「メモ帳」(テキストエディタ)に保存したデータは、Excelに取り込むことができます。
| ステップ | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | Excelを開き、[データ]タブ →「テキストまたはCSVから」を選択 |
| 2 | 取り込みたいテキストファイルを選択し、「インポート」をクリック |
| 3 | 区切り記号を「タブ」に設定し、「読み込み」をクリック |
逆に、Excelのデータをメモ帳に貼り付ける場合は、コピーしたセルをそのままメモ帳にCtrl + Vで貼り付けるだけです。メモ帳に貼り付けるとタブ区切りのテキストに変換されるため、書式を取り除いてテキストだけを取り出したいときに便利です。
Excelの「メモ」はセルに付箋のように情報を残す機能で、Windowsの「メモ帳」はテキストファイルを編集するアプリです。名前は似ていますが、まったく別のものなので混同しないように注意してください。
ここまでがExcelメモ機能の基本操作です。表計算のついでにメモを残す程度であれば、これらの機能で十分対応できます。
しかし、メモの量が増えて情報を蓄積・検索したくなると、話が変わってきます。次のセクションでは、私が4年間スプレッドシートでメモを取り続けた末に実感した「限界」についてお伝えします。
Excelやスプレッドシートをメモ帳として使い続けて気づいた3つの限界

Excelやスプレッドシートは、メモ用途としては設計されていません。
私はGoogleスプレッドシートをオンライン商談の議事録や社内共有メモとして約4年間使い続けましたが、使えば使うほど「このツールにメモを預けるのは間違いだった」と感じる場面が増えていきました。
ここでは、実際に経験した3つの限界をお伝えします。
検索性の壁──メモが増えるほど「見つからない」
スプレッドシートでメモを管理していた頃、最も困ったのが検索のしづらさです。
Excelやスプレッドシートの検索機能は、あくまで「開いているファイル内」を対象にしたものです。メモが1つのファイルに収まっているうちは問題ありませんが、案件ごと・月ごとにファイルが増えていくと、「あのメモはどのファイルに書いたか」を思い出すところから始めなければなりません。
専用のメモアプリであれば、アプリ内のすべてのメモを横断検索できます。
タグやリンクで関連するメモ同士をつなげておくこともできるため、「探す時間」そのものがほぼなくなります。
私の場合、スプレッドシートでのメモ管理をやめてAmplenoteに移行した後、この検索の快適さが最も大きな変化でした。
1,000以上のドキュメントを登録していますが、キーワードを入力すれば数秒で目的のメモにたどり着けます。
視認性と管理コスト──1か月後に紛失する現実
スプレッドシートでメモを取ると、セルの中に文字が詰め込まれた状態になります。
改行するにはセル内でAlt + Enterを押す必要があり、普通のテキスト入力とは勝手が違います。
さらに、上寄せの設定やセル幅の調整といった書式の手間が、メモのたびに発生します。
これは表計算ソフトとしては当然の仕様ですが、「思いついたことをすぐ書き留める」というメモ本来の目的からすると、余計な作業です。
そして、最も痛かったのは紛失です。作成した直後は記憶に残っていても、1か月ほど経って見返したくなったときに、そのメモがどこにあるか分からなくなることが珍しくありませんでした。
ファイル名を工夫しても、シートが増え、ファイルが増えていく中で、目的のメモにたどり着けない。この「紛失コスト」は、日々の業務の中で地味に時間と集中力を奪っていきます。
そもそも「メモ用途」に設計されていない
私はGoogleスプレッドシートと並行して、Webライターとして約5年間Microsoft Wordもメインで使っていました。Wordでもレイアウトの硬直さやマークダウン非対応に悩まされ、最終的にAmplenoteに移行しています。
スプレッドシートとWord。用途はまったく違いますが、メモとして使ったときの不満は共通していました。
改行や書式設定に手間がかかる、書くことに集中できない、保存したつもりのデータが消えている──これらの問題は、どちらもツール固有のバグではなく、「メモ用途に設計されていないツールにメモを預けている」ことから生じています。
2020年から2024年にかけて、Googleスプレッドシートをオンライン商談の議事録・社内共有メモとして使用。個人用はAmplenote、共有用はスプレッドシートと使い分けていました。
最終的に個人の情報管理をAmplenote+Obsidian+手書きメモの3本立てに移行。振り返って思うのは、Excelやスプレッドシートは便利そうに見えて、メモ用途としては設計されていないということです。表計算ソフトにメモを預けること自体が、遠回りの始まりでした。
もちろん、Excelやスプレッドシートでのメモ管理にも利点はあります。操作に慣れている、社内で共有しやすい、グリッド構造で情報を整理できる──これらは事実です。
ただし、メモの量が増え、後から検索したい・蓄積したい・活用したいという段階に入ったら、専用のメモアプリへの移行を検討する価値があります。次のセクションでは、Excelメモ帳の代わりになるアプリを5つ、比較表つきでご紹介します。
Excelメモ帳の代わりになるアプリ5選(比較表つき)

Excelメモ帳の限界を感じたら、「メモを取る・探す・活用する」に特化したアプリへの移行がおすすめです。ここでは、Excelユーザーにとって移行しやすい順に5つのアプリを比較します。
代替アプリ比較テーブル
| アプリ名 | タイプ | 料金 | オフライン対応 | 検索機能 | 共同編集 | おすすめの用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Microsoft OneNote | デジタルノート型 | Microsoft 365に含まれる(追加コストなし) | あり | 全文検索・セクション検索 | あり | Excel環境からの移行コストを最小にしたい人 |
| Google Keep | シンプル・クイック型 | 無料 | あり(直近に開いたメモのみ。事前にオフライン設定が必要) | 全文検索・ラベル検索 | あり | 思いついたことを最速で書き留めたい人 |
| Amplenote | タスク統合型 | 無料プランあり/Proプラン月額$5.84(年払い) | あり | 全文検索・タグ検索 | あり | メモとタスク管理を1つのアプリで完結させたい人 |
| Notion | オールインワン・データベース型 | 無料プランあり/Plusプラン月額$10 | 制限あり | 全文検索・フィルター検索 | あり | メモ・タスク・データベースを自由にカスタマイズしたい人 |
| Evernote | 多機能ファイリング型 | 無料プランあり/Personalプラン月額1,100円 | 有料プランのみ | 全文検索・画像内テキスト検索 | あり | 画像・PDF・Webクリップなど多種多様な情報を一元管理したい人 |
※料金は2026年4月時点の情報です
どのアプリも、Excelメモ帳で課題だった「検索性」「視認性」「ファイル管理の手間」を根本から解決する設計になっています。
ただし、アプリごとに得意な領域が異なります。以下では、用途別に3つのタイプに分けておすすめを整理します。
用途別おすすめ(手軽さ重視/知識蓄積/共同作業)
Excel環境はそのままで、メモだけ分離したい場合
Microsoft OneNoteが最適です。Microsoft 365を利用中であれば追加コストゼロで使えます。Excelと同じMicrosoft製品のため、操作画面やファイルの共有方法に違和感がなく、移行のハードルが最も低い選択肢です。
ノートブック → セクション → ページという階層構造で情報を整理でき、手書き入力にも対応しています。Excelのメモ機能と違い、1つのページ内で自由に文章を書けるため、改行のたびにAlt + Enterを押す必要がありません。入力した内容はOneDriveに自動保存されるので、保存し忘れによるデータ消失の心配もなくなります。
「まずExcelからメモだけ切り離してみたい」という方には、最初の一歩としておすすめです。
とにかくシンプルに、素早くメモを取りたい場合
Google Keepが候補になります。起動が速く、テキスト・画像・チェックリストをすぐに記録できます。Googleアカウントがあれば追加の登録は不要で、スマートフォンとPCの間で自動同期されます。
ただし、メモの量が数百件を超えると整理が難しくなるため、大量のメモを蓄積・分類したい場合には向きません。
メモとタスク管理を1つのアプリで完結させたい場合
Amplenoteがおすすめです。メモ、タスク管理、カレンダー機能が1つのアプリに統合されており、メモから直接タスクを作成して実行まで管理できます。
私はAmplenoteに1,000以上のドキュメントを登録し、日常の業務メモからタスク管理まで集約しています。
マークダウンで見出し・太字・箇条書きをキーボードだけで入力できるため、Excelのリボンメニューやスプレッドシートのセル幅調整とは書き心地がまったく違います。
また、ナレッジ管理用にはObsidianを併用しています。Amplenoteが「書く」ためのツール、Obsidianが「考える」ためのツールという使い分けです。
Obsidianはローカルファイル保存のためクラウドに依存せず、リサーチノートの蓄積やアイデアの整理に向いています。
ExcelやWordから専用アプリに移行して最も変わったのは、書くことだけに集中できる感覚です。
AmplenoteもObsidianもマークダウン対応なので、見出し・太字・箇条書きをキーボードだけで入力できます。Excelの改行(Alt + Enter)やセル幅の調整に費やしていた時間が、そのまま書く時間に変わりました。
チームでメモを共有・共同編集したい場合
NotionまたはEvernoteが候補になります。
Notionはデータベース機能が強力で、メモ・タスク・Wiki・プロジェクト管理を1つのワークスペースに統合できます。カスタマイズの自由度が高い反面、設計に時間がかかるため、シンプルにメモだけ取りたい人にはオーバースペックになりがちです。
Evernoteは画像内のテキスト検索やWebクリップなど、情報をファイリングする機能に強みがあります。ただし、近年は料金体系の変更が続いており、無料プランの制約も大きくなっています。
私はEvernoteとNotionのどちらも使用した経験がありますが、現在はどちらも使っていません。Evernoteはサポート体制の悪さを実感して離脱しました。Notionはデータベース機能が自分の用途にマッチせず、使いこなす前にやめてしまいました。どちらも優れたアプリですが、「自分の使い方に合うかどうか」が継続の鍵になります。
メモアプリの選び方をより深く知りたい方はWebライターやディレクターが知っておきたいノートアプリの使い方も参考にしてください。
また、オフライン環境でのメモ利用を重視する場合はメモ/ノートアプリオフライン徹底比較6選で詳しく比較しています。
よくある質問(FAQ)
Excelのメモ機能や代替アプリへの移行について、よくある疑問をまとめました。
Excelのメモ機能とWindowsのメモ帳は何が違う?
まったく別のものです。Excelのメモはセルに付箋のように補足情報を残す機能で、Windowsのメモ帳はテキストファイルを編集するアプリです。名前が似ているため混同されやすいですが、用途も操作方法も異なります。Excelのメモはセル単位で情報を残す目的、Windowsのメモ帳は書式なしのテキストを扱う目的で設計されています。
Excelメモを印刷する方法は?
既定の設定では印刷されません。印刷したい場合は、[ページレイアウト]タブ → シートオプションのコメントとメモ欄で、シートの末尾または画面表示イメージ(メモのみ)を選択してください。印刷プレビューで反映を確認してから印刷すると安心です。
無料で使える代替アプリはどれ?
Google Keep、Microsoft OneNote、Obsidianの3つは無料で使えます。Google Keepはシンプルなメモ取りに最適で、OneNoteはMicrosoft 365ユーザーなら追加コストなしで利用できます。Obsidianは個人利用であれば無料です。私の場合、Obsidianを無料でリサーチノートの蓄積に使い、有料のAmplenote(Proプラン月額$5.84※年払いの場合)と併用して用途を分けています。
Excelしか使えない職場でメモを効率化するには?
個人のメモだけ専用アプリに分離するのがおすすめです。社内共有はExcelやスプレッドシートのまま残し、自分だけが見るメモを別のアプリで管理する。この棲み分けなら、職場のルールを変えずに個人の情報管理を改善できます。私も社内共有用はGoogleスプレッドシートを使い続けながら、個人のメモだけAmplenoteに移行していました。
オンラインセミナー中にキーボード音が気になる。対策は?
これはメモアプリに変えても解消しない問題です。私自身、オンラインセミナーや商談中にメモを取る際、キーボードの打鍵音が相手に聞こえるのではないかと気になったことがあります。対策としては、マイクのミュート切り替えをこまめに行う、静音キーボードを使う、要点だけ短く書いて後から補足する、といった方法があります。ツールの選択だけでは解決できない問題もある、ということは正直にお伝えしておきます。
フリーランスにおすすめのメモ環境は?
用途ごとにツールを分けるのが、9年間フリーランスとして在宅ワークを続けてきた私の結論です。書く作業にはAmplenote、思考の整理にはObsidian、クライアントとの共同作業にはGoogleドキュメントと、目的別に使い分けています。1つの万能ツールを探すよりも、自分が続けられる組み合わせを見つける方が、結果的にメモの紛失や散乱を防げます。
まとめ:Excelメモ帳の限界を知り、自分に合ったメモ環境を選ぶ
Excelのメモ機能は、セルに補足情報を残す用途であれば十分に使えます。しかし、メモの量が増えて検索・蓄積・活用したくなる段階に入ると、表計算ソフトの設計思想とメモの目的にズレが生じます。
私は約4年間Googleスプレッドシートでメモを取り続けた末に、検索しづらい・視認性が悪い・1か月後に紛失するという問題に行き着きました。振り返れば、これらはツールの使い方ではなく、ツールの選び方に原因がありました。
この記事のポイント
Excelやスプレッドシートはメモ用途に設計されていないため、量が増えるほど非効率になります。
- Excelメモ機能の基本操作(メモ・コメントの使い分け、印刷設定)を押さえた上で、限界を理解する
- 移行のハードルが低い順に、OneNote → Google Keep → Amplenote → Notion → Evernoteの5つが候補になる
- すべてを一度に切り替えず、個人のメモだけ専用アプリに分離するところから始めるのがおすすめ
まずは無料プランやトライアルで1つのアプリを試してみてください。新しいメモだけ移行先で書き始めれば、過去データの移行は後回しで問題ありません。
メモアプリの選び方や使い分けについてさらに詳しく知りたい方は、Webライターやディレクターが知っておきたいノートアプリの使い方も参考にしてください。
