フリーランスは自由だと言われますが.、実際は、仕事が終わっても目標額に届いていないと、また次の案件を探してしまう。土曜も日曜も、完全には休めない。私自身、2017年に独立してから、そういう週末を何度も過ごしてきました。
在宅ワーク歴は9年になります。
途中で一度フリーランスをやめて在宅の正社員ディレクターを3年やり、2025年にまた独立しました。
ここで、自分でも意外な事実に気づきます。会社員に戻っていた3年間も、私は土日に持ち帰り残業をしていたのです。
だとすると、私の自由を奪っていたのは「フリーランスという働き方」ではなかったことになります。では、本当の正体は何だったのか。9年と、外に出て戻ってきた経験でわかったことを、正直に書いていきます。
最終更新:2026年6月18日
この記事のポイント
フリーランスの自由を奪うのは制度ではなく、「もっと稼ぎたい」「依頼を断れない」という自分の心理です。働く場所を変えても、考え方が変わらなければ自由は手に入りません。
- 自由が消える瞬間は、たいてい「収入の目標未達」か「断れない追加依頼」から始まる
- 私は会社員に戻っても土日に働いた。つまり原因は働き方ではなく自分の進め方だった
- 自由とは「どこで働くか」ではなく「何をやらないかを自分で決められること」
フリーランスが自由じゃないと感じる5つの瞬間
フリーランスの自由が消えるのは、たいてい「もっと稼ぎたい」と「依頼を断れない」の2つから始まります。性格や能力の問題ではなく、誰にでも起こる構造です。私自身、独立してから何度もこの瞬間を経験してきました。
まず、私の実例から話します。
独立して数年は、月の稼働時間が200時間ほどありました。売上の内訳はライターの仕事が9割、ブログが1割。少しでも収入を増やしたくて、仕事が終わっても目標額に届いていないと、すぐ次の案件を探していました。
「できるだけたくさんお願い」と言われることも多く、頼まれると断れない。結果、土日も完全には休めず、やりたいことは後回しになりました。品質もメンタルも安定してはいたものの、自由とはほど遠い働き方だったと思います。
この状態を分解すると、自由を奪う瞬間は次の5つに整理できます。
1. 収入が目標に届かず、仕事が終わっても休めない
もっとも多いのが、目標額への未達です。案件が完了しても、今月の目標に届いていないと「まだ働かないと」という気持ちになり、次を探し続けます。終わりが収入で決まるため、いつまでも終わりません。
今日できること:月の最低ライン(家賃・光熱費・税金の積立・生活費の合計)を一度だけ計算します。「いくらあれば生活できるか」が数字で見えると、際限なく上を目指す状態から抜けやすくなります。
2. 急ぎ・追加の依頼を断れない
目標額に届いていても、急ぎの仕事や追加の要望が来ると、つい請け負ってしまいます。断ることへの不安があると、条件が良くない依頼まで受けてしまい、自分の時間が削られていきます。
今日できること:受ける条件を3つだけ決めます(単価・納期・稼働時間)。条件を先に決めておくと、毎回ゼロから迷わずに済みます。
3. 不安から詰め込み、休みが消える
将来の収入が不安で、案件を詰め込みすぎてしまうこともあります。受注量を増やせば安心できる気がしますが、実際には業務過多で疲れ、休みが消え、やりたいことができなくなります。
今日できること:週の稼働上限を決めます。上限を超えそうなら、受けないか、単価を上げる条件に切り替えます。
4. 収入の波が読めず、気持ちが落ち着かない
フリーランスには継続受注の保証がありません。今月は良くても来月はわからない。この不安が続くと、常に気を張りながら働くことになります。不安の正体は、多くの場合「最低ラインが曖昧なこと」です。
今日できること:固定費を書き出し、最低ラインを把握します。いくら必要かが分かるだけで、波への耐性が変わります。
5. 一人で判断するため、基準がぶれる
フリーランスは相談相手がいない場面が多く、単価の相場や、断るべきかどうかの判断がぶれやすくなります。孤独そのものより、判断基準を確認する機会がないことが問題です。
今日できること:月1回、売上・依存度・稼働時間の3つだけを振り返る時間を予定に入れます。感情ではなく数字で判断する習慣ができます。
ここまでは「自由が消える瞬間」を並べました。ただ、私の場合はもう一歩踏み込んだ気づきがありました。これらの瞬間に共通する、もっと根本的な原因です。それを次の章で書きます。
なお、休みを取ること自体に強い不安を感じる場合は、その仕組み化を扱ったフリーランスが休めない3つの原因と休暇の不安をなくす仕組みも参考にしてください。
ここまで読んだ人に、ひとつだけ。匿名で、押すだけです。10人を超えると、どの答えが多いかの割合が出ます。
フリーランスを辞めたい、と思うのはどのくらいの頻度ですか?
よければ一言。そう思う瞬間はいつか。
ありがとうございます。同じ答えの人が、ここにいます。
自由を奪っていたのは働き方ではなく自分だった
フリーランスの自由のなさは、働き方そのものが原因とは限りません。私はそう考えています。
なぜなら、フリーランスをやめて会社員に戻った3年間も、私は土日に持ち帰り残業をしていたからです。
2017年に独立した私は、2022年から2025年4月まで、在宅の正社員ディレクターとして働きました。雇用される側に戻れば、休みは制度で守られるはずでした。けれど実際には、土日にパソコンを開いて仕事を片づける週末が続きました。立場が変わっても、働き方が変わらなかったのです。
このとき、ようやく腑に落ちました。私の自由を奪っていたのは、フリーランスという契約形態ではなく、自分の考え方と仕事の進め方だったということです。
フリーランスの頃は「収入を増やしたいから」土日も働き、会社員の頃は「仕事を残したくないから」土日も働きました。理由は違うように見えて、根っこは同じでした。目の前の仕事を、自分の中の不安や欲が手放せなかったのです。
もしフリーランスだから自由がないのなら、会社員に戻った時点で解決していたはずです。そうならなかったことが、原因は外ではなく自分にあると教えてくれました。これは、両方を経験しないと気づけなかったことだと思います。
ここからわかるのは、働く場所や契約形態を変えても、自由は手に入らないということです。在宅にすれば、独立すれば、転職すれば自由になれる——そう思って環境を変えても、自分の進め方が同じなら、結局また休めなくなります。
「依頼が途切れない」ことが安心とは限らない
もう一つ、独立して想定外だったことがあります。それは、想像以上に仕事の依頼が途切れなかったことです。ありがたい話ではあるのですが、ここに落とし穴がありました。
依頼が途切れないと、目先の仕事で稼働時間が埋まり続けます。私の場合はライターの仕事が9割でした。ライティングは目先の収入としては良いものの、仕事内容の幅が広がりにくく、同じことを長く続けたいという性格でないと、正直きついところがあります。
つまり「忙しくて休めない」と「将来につながる時間が取れない」が、同時に起きていたわけです。依頼が来続ける安心感の裏で、自己投資やスキルの幅を広げる時間を失っていました。これは、当時の自分はまったく自覚できていませんでした。
では、自分の考え方が原因なら、フリーランスを選び続ける意味はあるのか。私はそれでも2025年にまた独立しました。その理由を次の章で書きます。
それでも私がフリーランスを選び直した理由
自由を奪う原因が自分にあると分かっても、私は2025年にまたフリーランスを選びました。問題が自分の側にあるなら、どの働き方でも同じだからこそ、自分が納得できる形を選ぼうと考えたからです。
会社員に戻った3年間で、私は一つの事実を確かめました。雇用される側に戻っても、土日に働く自分は変わらなかった。だとすれば、フリーランスのせいにして独立をやめても、何も解決しません。むしろ、進め方さえ見直せるなら、裁量の大きいフリーランスのほうが、自分には合っていると判断しました。
最初に独立したときは、会社員が嫌で逃げ出した面もありました。けれど2025年の独立は違います。会社員も同じように休めなかったと知った上で、それでもこの働き方を選んだ。原因を外に求めるのをやめてからの再出発でした。
不思議なもので、「フリーランスだから自由なはず」という期待を手放したら、かえって気持ちが楽になりました。自由は最初から用意されているものではなく、自分で設計するものだと割り切れたからだと思います。
ここで、自由という言葉の意味を、私は捉え直しました。自由とは「どこで働くか」ではありません。会社かフリーランスか、出社か在宅かは、本質ではなかった。
私にとっての自由は、何をやらないかを、自分で決められることです。すべての依頼を受けない。目標額を超えたら上乗せしない。目先の収入のために将来の時間を全部は使わない。やらないことを自分で選べる状態こそが、自由の正体だと考えるようになりました。
もちろん、これは「フリーランスが正解で会社員が不正解」という話ではありません。働き方に迷っている段階なら、無理に独立を急ぐ必要はないと思います。続けるか辞めるかの判断軸については、フリーランスを辞めたいときの判断軸でも整理しています。副業から段階的に移行したい場合は、副業からフリーランスに移行するタイミングも参考になります。
では、「やらないことを決める」を、気合や意志ではなくどう実現するのか。次の章で、私が実際にやめたこと・始めたことを具体的に書きます。
道具を増やしても、片づかないと感じたら
自分の仕事をAIで組み直している途中経過を、週1回お送りしています。うまくいった数字も、壊れた話も、そのまま書いています。
登録は無料です。5日間のメール配信後は週1回に切り替わり、いつでも解除できます。
フリーランスの自由を取り戻すために私がやめたこと・始めたこと
自由を守るには、意志ではなく仕組みが要ります。「今日は働きすぎないようにしよう」と気持ちで決めても、不安や欲が勝てば崩れるからです。だから私は、判断を自分の気分に委ねないための工夫を、少しずつ取り入れてきました。
正直に書くと、私はかつて、依存度も稼働上限も管理していませんでした。だから月200時間まで働き、土日も埋まったのです。数字で自分を縛る発想がなかったことが、休めなかった原因の一つでした。その反省から、まず「やめたこと」から整理します。
やめたこと:自由を奪っていた習慣
自由を取り戻す第一歩は、新しく何かを足すことではなく、消耗の原因を手放すことでした。私がやめたのは、次の3つです。
| やめたこと | 理由 |
|---|---|
| 目標額を超えてからの上乗せ受注 | 際限がなくなり、いくら稼いでも休めなくなるため |
| 条件を決めずに依頼を受けること | 毎回迷い、断れず、条件の悪い案件まで抱えるため |
| 目先の収入だけで稼働を埋めること | 将来につながる時間がゼロになり、幅が広がらないため |
特に3つ目は、独立して数年たって痛感した反省です。当時の私はライターの仕事で稼働の9割を埋めていましたが、今振り返れば、その一部は自己投資に回すべきでした。投資の勉強やSNS運用など、自分の資産につながることに時間を割いていれば、収入の柱を増やせていたはずです。目先の安心と引き換えに、将来の選択肢を狭めていました。
始めたこと:気分に判断させない仕組み化
やめると同時に始めたのが、仕組み化です。フリーランスの自由は、意志の強さではなく、判断を自動化する仕組みで守れると考えるようになりました。具体的には次のような工夫です。
2026年から、その日にやることを3つだけに絞る運用を続けています。きっかけは、タスクを詰め込むほど睡眠も品質も落ちると気づいたことでした。3つと決めておけば、不安になっても「今日はこれで終わり」と機械的に線を引けます。
大事なのは、判断を毎回の気分に任せないことです。気分に任せると、不安なときほど働きすぎてしまう。あらかじめ仕組みで上限を決めておくと、意志に頼らず休めるようになりました。
仕組み化と聞くと難しく感じるかもしれませんが、出発点はシンプルです。次の3つを、一度だけ数字で決めておくことから始められます。
- 最低ライン:固定費+税金の積立+生活費を合計し、月にいくら必要かを出す
- 依存度:上位1社の売上が全体の何割かを出す(50%を超えたら案件を分散し始める)
- 稼働上限:週に何時間まで働くか、何曜日を休むかを先に固定する
この3つは、私が休めなかった頃にやっていなかったことの裏返しです。完璧に運用する必要はありません。数字を一度見えるようにするだけで、「まだ働かないと」という焦りに、事実で線を引けるようになります。
収入の柱を増やして1社依存から抜ける具体的な進め方は、フリーランス案件獲得の方法と順序で詳しく書いています。ブログのように自分の資産になる収入源づくりは、フリーランスのブログ活用法と始め方も参考にしてください。
フリーランスの自由についてよくある質問
フリーランスの自由について、よく寄せられる疑問をまとめました。言葉の違いから、私自身の経験に基づく答えまで整理します。
自由業・フリーランス・自営業の違いは何ですか?
契約形態・職業カテゴリ・事業運営という、指している対象がそれぞれ異なります。混同されがちですが、税務上はいずれも個人事業主として扱われる点は共通です。具体的な違いは次のとおりです。
| 区分 | 指すもの | 例 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| フリーランス | 契約形態(雇用されず業務委託で請け負う働き方) | ライター、デザイナー、エンジニア | 案件を選べるが、基準がないと消耗しやすい |
| 自由業 | 職業カテゴリ(時間や場所に縛られにくい職業の総称) | 作家、弁護士、芸術家、医師 | 職業名だけでは自由度は決まらない |
| 自営業 | 事業運営(店舗や設備を持ち利益を目的に営む) | 飲食店、小売業、美容室 | 固定費と現場拘束で自由度が下がりやすい |
なお、自由業は法律で明確に定義された言葉ではなく、国税庁の確定申告の手引では医師・弁護士・作家・大工などが例として挙げられています。Webライターやデザイナーのフリーランスも、自由業に含めて呼ばれることがあります。
フリーランスはいつから自由を実感できますか?
月の最低ラインを安定して超え、1社依存から抜けた頃が一つの目安です。経済的な余裕と業務の調整力が揃うと、自由を感じやすくなります。駆け出しの段階では生活の不安や案件確保のプレッシャーが大きく、理想とは遠く感じる人が多いです。目安として、上位1社の売上比率が50%以下の状態が3か月ほど続くと、心理的な余裕が生まれやすくなります。
会社員とフリーランス、本当に自由なのはどちらですか?
どちらが自由かは、働き方より自分の考え方で決まります。私は2017年に独立し、2022年から3年間は在宅の正社員に戻り、2025年にまた独立しました。両方を経験して言えるのは、会社員に戻った3年間も土日に持ち帰り残業をしていたということです。立場を変えても、目の前の仕事を手放せない自分は変わりませんでした。制度として休みが守られる会社員のほうが自由に見えても、進め方が同じなら結局休めません。場所や契約より、何をやらないかを自分で決められるかどうかが分かれ目だと考えています。
依頼が途切れないのに、なぜ自由を感じられないのですか?
忙しさが、将来につながる時間を奪っているからです。依頼が途切れないのは安心材料に見えますが、目先の仕事で稼働が埋まると、自己投資やスキルの幅を広げる時間がなくなります。私の場合、独立後はライターの仕事が稼働の9割を占めていました。収入は得られても仕事の幅が広がりにくく、今振り返れば一部を投資の勉強やSNS運用に回すべきだったと感じています。「忙しくて休めない」と「将来の時間が取れない」は、同時に起こります。
自由を優先すると収入は落ちませんか?
短期的には落ちる可能性がありますが、中長期では上がりやすくなります。案件を絞ると一時的に売上は減りますが、稼働に余裕ができることで、単価交渉やスキルアップ、収入の柱を増やす活動に時間を使えるようになります。条件の悪い案件を受け続けるより、時間あたりの価値を上げるほうが、結果的に収入は安定します。前提として、月の最低ラインを把握しておくことが欠かせません。
案件を断るのが怖いです。どう線引きすればいいですか?
断る基準を先に決めておくと、迷いが減ります。単価の下限・納期の最短ライン・週の稼働上限の3つを決めておけば、「条件に合わないから断る」という判断ができます。条件に合わない案件を受け続けるほうが、品質低下や納期遅れで信頼を失うリスクが高くなります。断り文のテンプレートを用意しておくと、毎回悩まずに済みます。
まとめ:フリーランスの自由は設計し直せる
フリーランスは自由だと言われますが、私の自由を奪っていたのは制度ではなく、自分の考え方でした。会社員に戻っても土日に働いた経験が、それを教えてくれました。自由とは、どこで働くかではなく、何をやらないかを自分で決められること。最低ライン・依存度・稼働上限を一度数字にして、判断を気分に委ねない仕組みを持てば、自由は後からでも設計し直せます。
次に読む記事
- フリーランスの始め方・独立設計ロードマップ|独立の全体像を資金と信用の面から整理した総合ガイド
- フリーランスが休めない3つの原因と休暇の不安をなくす仕組み|「休めない」を仕組みで解決したい人へ
- フリーランス案件獲得の方法と順序|1社依存から抜けて収入を分散する具体的な手順
- フリーランスを辞めたいときの判断軸|続けるか辞めるか迷っている段階の人へ
更新履歴:2026年6月18日
道具を増やしても、片づかないと感じたら
自分の仕事をAIで組み直している途中経過を、週1回お送りしています。うまくいった数字も、壊れた話も、そのまま書いています。
登録は無料です。5日間のメール配信後は週1回に切り替わり、いつでも解除できます。
