フリーランスになりたいと話したら「やめとけ」と言われて、迷っていませんか。
私はフリーランスのWebライターを約5年続けたあと、一度フリーランスをやめて会社員に戻りました。
会社員として記事を発注する側を約3年経験し、2025年にもう一度独立しています。
やめた経験も、戻った経験もある立場から言うと、「やめとけ」の半分以上は独立した人なら誰でも通る不安の話です。
残りは、独立する前に決めておけば小さくできます。
「やめとけ」は、独立が危険だという意味より、稼ぎ続けられるかが見えない不安の表れです。
- 言われる理由は、収入・社会保障・信用・事務・案件獲得・1人で決め続ける負担の6つです
- その不安は、経験者でも消えません。私も約5年目に会社員へ戻りました
- 独立前に決めるのは、自分の最低単価と、生活費の何か月分を持って始めるかです
最終更新:2026年10月11日
フリーランスやめとけと言われる6つの理由
フリーランスやめとけと言われる理由は、6つあります。
どれも本当のことですが、どれも独立前に備えられます。
内閣官房の調査(2020年・7,478名)では、フリーランスとして働く上での障壁の1位が「収入が少ない・安定しない」で、59.0%でした。
(出典:内閣官房「フリーランス実態調査結果」2020年5月公表(厚生労働省の資料に再掲))
収入が途切れると翌月からゼロになる
会社員と違い、毎月決まった給料はありません。
継続していた案件が1つ終わるだけで、翌月の売上が大きく減ります。
会社員から独立した人に聞いた調査では、会社員のころより収入が減った人が51.4%、増えた人が31.4%でした。
一方で、仕事上のストレスは67.3%が「減った」と答えています。
(出典:マイナビ「フリーランスの意識・就業実態調査2025年版」・会社員から独立した624名)
健康保険と年金が薄くなる
会社員の健康保険と厚生年金から、国民健康保険と国民年金に切り替わります。
保険料は全額自分で払い、将来受け取る年金も厚生年金より少なくなります。
有給休暇も、病気で休んだときの傷病手当金もありません。
ローンやクレジットカードの審査が通りにくい
独立して間もないと、収入の実績が少ないため、住宅ローンなどの審査で不利になることがあります。
審査では、会社員の源泉徴収票の代わりに、確定申告の書類で所得を確かめられます。
確定申告や請求書を1人でこなす
請求書の発行、入金の確認、帳簿、確定申告まで、すべて自分で行います。
売上から税金と保険料を引くと、同じ額を稼いでも会社員より手取りが少なくなります。
所得税と住民税に加えて、国民健康保険料、個人事業税、売上が一定額を超えれば消費税もかかるからです。
目安として、売上の約3割が税金と保険料で消えると考えておくと安全です。
会社員のときの手取り30万円と同じ生活をするなら、売上は月43万円ほど必要です(30万円÷0.7で計算)。
私も1回目の独立では、最初の確定申告で納める額に驚きました。
案件を自分で取り続ける
仕事は、誰かが割り振ってくれるものではなくなります。
当サイトが2026年8月に行った調査では、クラウドワークスで仕事を受けている41名のうち51%が「応募が通る割合は2割以下」と答えました。
営業の時間も、仕事の時間の一部になります。
相談相手がいない中で判断を続ける
この案件を受けるか、この単価でよいか、この修正に応じるか。
会社員なら上司や同僚に相談できた判断を、毎日1人で決め続けます。
内閣官房の調査では、働く上での障壁として「人脈やネットワークを広げる機会が少ない」を挙げた人が17.2%いました。
(出典:内閣官房「フリーランス実態調査結果」2020年5月公表(厚生労働省の資料に再掲))
判断の数が多いほど、疲れは静かにたまります。
迷う回数を減らすには、受ける条件を先に決めておくことです。
なお、2024年11月からは「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(フリーランス新法)が施行され、発注する側に取引条件を書面などで示すことが義務づけられました。
報酬は、原則として納品から60日以内に支払う決まりです。
(出典:公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」)
取引の条件は、以前より守られやすくなっています。
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フリーランスを辞めたい、と思うのはどのくらいの頻度ですか?
よければ一言。そう思う瞬間はいつか。
ありがとうございます。同じ答えの人が、ここにいます。
フリーランスを一度やめて会社員に戻った私の経験
ここからは、私が実際に一度フリーランスをやめ、また独立した経験を書きます。
「やめとけ」と言われる不安は、5年続けても消えませんでした。
独立したいが、失敗したら会社員に戻れない気がする。
「やめとけ」と言った人に、「ほら見たことか」と言われたくない。
だから、決めきれないまま何か月もたっている。
当サイトの調査では、すでに仕事を受けている人の73%が「やめようかなと思うことがある」と答えました。
迷うのは、あなたが弱いからではありません。
独立した人の多くが、続けながら同じ迷いを持っています。
約5年で会社員に戻った理由
私は2017年12月にフリーランスのWebライターになり、2022年7月まで続けました。
2022年、ある会社から正社員の誘いを受けました。
受ける前に確かめたのは、業務内容、報酬の目安、完全在宅で働けるかの3つです。
辞めた理由は、上流の仕事に挑戦したかったからです。
特に、ライター講師の仕事に興味がありました。
同時に、フリーランスとして本当に稼ぎ続けられるのかが見えず、どうやって仕事を受注していくかを真剣に不安に感じていました。
5年続けても、この不安は消えていませんでした。
会社員の3年で見えた発注する側の現実
会社員としては、コンテンツディレクターとして記事を発注する側に回りました。
ライターの採用と指導を担当し、延べ人数はそれぞれ約100人です。
フリーランスのときに見えていなかったのは、発注する側には想像以上に時間がなく、仕事がハードだということでした。
発注する側は、1本の記事だけを担当しているわけではありません。
何本もの記事の進行を、何人ものライターと同時に管理しています。
そのため私は、受け取るたびに直しが必要な原稿より、そのまま使える原稿を出すライターに、次の仕事をお願いするようになりました。
ここで分かったのは、発注する側が払っているのは原稿の対価だけではない、ということです。
直しや確認にかかる時間が減ることにも、お金を払っています。
相手の時間を減らせるライターは、その分の価値を価格に含めてかまいません。
安い価格で受ける理由はないのです。
発注する側に回って、もう1つ分かったことがあります。
仕事が取れなくなったとき、原因は腕が落ちたことだけではありません。
発注する側が見るものが変わっていることもあります。
発注する側が知りたいのは、記事を何本納品できるかより、その記事で何の数字が良くなるかです。
作業を売るのをやめて、相手の数字に責任を持つ提案に変えると、選ばれる理由が変わります。
2025年にもう一度独立して1回目と変えたこと
2025年、私はもう一度独立しました。
1回目と変えたのは、自分の価値を安く見積もらないことです。
自分で決めた最低基準より安い価格では、仕事を受けないことにしました。
1回目のときは、不安を埋めるために、目の前に常に仕事がある状態にしていました。
その結果、休みを取りにくくなっていました。
最低基準を決めてからは、受ける仕事を選べるようになりました。
今は、BtoB企業でSEO・GEOの担当責任者(派遣スタッフとしての就業)をしながら、同じ内容をフリーランスとしても受けています。
フリーランスやめとけを聞くべき人と聞き流していい人
「やめとけ」は、言われた人の状況で聞き方が変わります。
次の表で、自分がどちらに近いかを確かめてください。
| 比べること | 聞くべき人 | 聞き流していい人 |
|---|---|---|
| 独立する理由 | 今の会社を辞めたいことだけ | やりたい仕事の内容が決まっている |
| 生活費の備え | 収入がゼロの月を想定していない | 生活費の3〜6か月分を持って始める |
| 手取りの計算 | 売上の額で生活費を考えている | 税金と保険料を引いた手取りで考えている |
| 取引先 | 独立してから探すつもり | 継続して依頼してくれそうな相手がいる |
| 仕事の実績 | 副業でも1件も受けたことがない | 副業で報酬を受け取ったことがある |
| 価格の基準 | 頼まれた金額で受けるつもり | これ以下では受けない金額がある |
聞くべき人に当てはまっても、独立できないわけではありません。
当てはまった行を、独立前に1つずつ埋めれば足ります。
私が指導したライターのうち、1年以内に辞めた人には「自由になりたい」が動機で、生活費の見積もりが甘いという共通点がありました。
フリーランスの自由は、何でもできる自由ではありません。
案件選び、単価の交渉、請求書、税金、スケジュールを、すべて自分で決める自由です。
会社が代わりにしてくれていたことを、全部自分でする前提の働き方だと知ってから決めてください。
ツールを増やしても、片づかないと感じたら
自分の仕事をAIで組み直している途中経過を、週1回お送りしています。うまくいった数字も、壊れた話も、そのまま書いています。
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フリーランスで後悔しないために独立前に決める4つのこと
「やめとけ」の不安を小さくするために、独立前に決めるのは4つです。
どれも紙1枚で決められます。
自分の最低単価
最初に決めるのは、これより安ければ受けない金額です。
1回目の独立で私が持っていなかったのが、この基準でした。
基準がないと、不安なときほど安い仕事を詰め込み、休めなくなります。
目安は、生活費と税金・保険料を、働ける時間で割った金額です。
生活費の何か月分を持って始めるか
収入がゼロの月が来ても、慌てずに済む額を先に決めます。
貯金を生活費で割ると、何か月もつかが分かります。
何か月もつかが分かれば、その期間に何件の仕事を取ればよいかも決まります。
融資を受けて開業した人の調査でも、開業時に苦労したことの1位は資金繰りで、56.9%でした。
(出典:日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」・2025年12月公表)
固定費を先に減らしておく
売上がゼロの月にも、固定費は引き落とされます。
独立前に、毎月引き落とされる項目を1つでも減らしておくと、耐えられる期間が延びます。
私は2022年11月、Dropboxの月額課金をやめて、pCloudの2TB買い切りプランを279ドル(当時約39,000円)で買いました。
金額は大きくありませんが、毎月の引き落としが1つ消えました。
使っていないサブスク、惰性で続けている契約、見直せる保険から確かめてください。
戻る道があることを知っておく
私は撤退ラインを決めていませんでした。
それでも、会社員に戻る道は閉じていませんでした。
フリーランスの経験は、発注する側の仕事でそのまま使えたからです。
独立は、一度決めたら戻れない決断ではありません。
紙に「これより安い仕事は受けない」金額を1行書いてください。
1か月の生活費に、税金と保険料の分として3割を足し、働ける時間で割ると目安が出ます。
書いた金額は、独立したあとに迷ったときの基準になります。
フリーランスやめとけに関するよくある質問
フリーランスになって後悔する人は多いですか?
迷う人は多いです。
当サイトの調査では、仕事を受けている人の73%が「やめようかなと思うことがある」と答えました。
ただし、迷うことと戻りたいことは別です。
内閣官房の調査では「今後もフリーランスとして働き続けたい」が78.3%で、「会社員に戻りたい」は3.4%でした。
(出典:内閣官房「フリーランス実態調査結果」2020年5月公表(厚生労働省の資料に再掲))
フリーランスは本当に稼げないのですか?
稼げないというより、収入に満足しにくい働き方です。
内閣官房の調査では、収入に満足している人は37.4%で、仕事上の人間関係に満足している人(85.7%)を大きく下回りました。
(出典:内閣官房「フリーランス実態調査結果」2020年5月公表(厚生労働省の資料に再掲))
売上ではなく、税金と保険料を引いた手取りで生活費を計算してください。
フリーランスから会社員に戻れますか?
戻れます。
私は約5年フリーランスを続けたあと、会社員に戻りました。
フリーランスで受けた仕事の経験は、発注する側の仕事でそのまま使えました。
フリーランスの収入は何年で安定しますか?
平均で約2年半かかります。
独立した人の調査では、依頼が安定したと感じるまでの期間は平均31.3か月で、「まだ安定していない」が27.9%で最も多い回答でした。
(出典:マイナビ「フリーランスの意識・就業実態調査2025年版」)
私の場合、「安定した」と感じるまでに2〜3年かかりました。
フリーランスに向いていない人はどんな人ですか?
今の会社を辞めたいことだけが理由の人です。
辞めたあとに何をするかが決まっていないと、仕事を選ぶ基準がないからです。
やりたい仕事の内容を1つ書けるかどうかで確かめてください。
フリーランスの単価はどう決めればいいですか?
先に最低単価を決め、それより安い仕事は受けないでください。
不安なときほど安い仕事を受けてしまうからです。
私は2回目の独立で、自分で決めた最低基準より安い価格では受けないことにしました。
フリーランス新法で何が変わりましたか?
発注する側に、取引条件を書面などで示すことが義務づけられました。
2024年11月に施行された法律で、報酬は原則として納品から60日以内に支払う決まりです。
(出典:公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」)
取引の条件で困ったときの相談先も整っています。
まとめ|フリーランスやめとけは独立前に決めることのリスト
フリーランスが「やめとけ」と言われる理由は、収入・社会保障・信用・事務・案件獲得・1人で決め続ける負担の6つです。
その不安は、経験者でも消えません。
私も約5年目に会社員へ戻り、発注する側の時間のなさを知ってから、2025年にもう一度独立しました。
独立前に決めるのは、最低単価、生活費の何か月分を持って始めるか、固定費、戻る道の4つです。
まずは今週、最低単価を紙に1行書いてください。
独立の準備を順番に知りたい方はフリーランスの始め方、自信がなくて踏み出せない方はフリーランスになる自信がない人へ、すでに独立していてやめたいと感じている方はフリーランスを辞めたいと思ったときをご覧ください。
ツールを増やしても、片づかないと感じたら
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