自分の書いた記事を検索して確かめたら、検索結果の上半分がAIの要約で埋まっていた——そんな経験はないでしょうか。
私はあります。しかも、検索順位は上位だったにもかかわらず、AIOの引用元に自分のサイトの名前はありませんでした。
ブログを運営している方のなかには、同じ悩みや疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか
「AIの要約はどのくらいの割合で出るのか」
「自分の記事は引用される側に入れるのか」
これらを調べても、感覚で語られた話しか出てきません。
だから自分のメディアで数えました。2026年4月から毎週です。
そこで、妙なことが2つ起きました。1つは、集計の仕方を変えただけで「横ばい」が「上昇」に変わったこと。もう1つは、出現率が121.6%というありえない数字になった日があったことです。
何が壊れていたのかも含めて、順に書きます。
- AI Overviewは、4月から数えて6割を切った週が1回しかありません。出るかどうかを条件として考える段階は終わっています
- 母数を固定しない全体は62%から61%へ。同じ95語に固定すると58.9%から65.3%へ。同じデータでも、母数の扱いを変えるだけで見え方が変わります
- ただし2つの時点を比べるときの誤差幅は約6.9ポイントあります。6.3ポイントの差はその内側で、断定はできません
- 引用元の1位と2位はYouTubeとGoogle自身でした。全参照931件のうち206件を、この2つで占めています
AI Overviewの出現率は、6割前後で推移しています
計測の中身から書きます。週に一度、まとめて実行しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得元 | Bright DataのSERP API(Google検索結果とAI Overview) |
| 取得しているもの | 生成された回答の本文と、引用元として表示されたURL |
| 頻度 | 週1回(原則日曜。追加で走らせた日もあります) |
| 対象キーワード | 約300語。フリーランス・副業向けのツール関連が中心 |
| 期間 | 2026年4月14日から継続中 |
2026年8月30日の計測では、294キーワードのうち178キーワードでAI Overviewが表示されました。率にすると60.5%です。
4月14日から数えて、6割を切ったのは初回の57.9%だけです。それ以降の最低は6月28日の60.0%でした。直近3回はこうなっています。
| 計測日 | 表示された語 | 出現率 |
|---|---|---|
| 8月16日 | 183 / 293 | 62.5% |
| 8月23日 | 165 / 269 | 61.3% |
| 8月30日 | 178 / 294 | 60.5% |
ただし一般化はしません。扱っているのはフリーランスや副業向けのツール関連キーワードが中心です。ジャンルが変われば出現率も変わるはずなので、この数字を他の領域へそのまま持っていくことはできません。
それでも、自分の領域については判断がつきました。AI Overviewが出るかどうかを条件として考える段階は終わりました。出る前提で設計する、という話になっています。
- 見出しごとに、答えが完結する形にした
- 結論を、記事の冒頭に置くようにした
要約を作る側が拾いやすい形にする、という意図です。効いているかどうかは、まだ検証できていません。
何を一次情報として扱い、どこまで裏を取るかについては、検索力の鍛え方|Webライター9年が伝える一次情報×AI検索のリサーチ術に書きました。
母数を固定して測ったAI Overview出現率|58.9%から65.3%へ
先に、母数を固定した理由から書きます。
計測するキーワードは、追加も削除もしています。新しく狙う語を足し、追わなくなった語を外します。母数が動いたまま率を読むと、実際に変わったのか、集団が入れ替わっただけなのかを切り分けられません。
そこで、2026年6月21日時点の95キーワードを取り出して凍結しました。以後はこの95語だけを追っています。凍結したリストは更新しません。更新した時点で、固定した意味がなくなるからです。
6月21日から8月23日まで、9週間で11回計測しました(8月1日と8月2日は連日です)。結果はこうなりました。
| 計測日 | 表示された語 | 出現率 |
|---|---|---|
| 6月21日 | 56 / 95 | 58.9% |
| 6月28日 | 55 / 95 | 57.9% |
| 7月5日 | 63 / 95 | 66.3% |
| 7月12日 | 61 / 95 | 64.2% |
| 7月19日 | 64 / 95 | 67.4% |
| 7月26日 | 60 / 95 | 63.2% |
| 8月1日 | 66 / 95 | 69.5% |
| 8月2日 | 68 / 95 | 71.6% |
| 8月9日 | 68 / 95 | 71.6% |
| 8月16日 | 63 / 95 | 66.3% |
| 8月23日 | 62 / 95 | 65.3% |
※7月5日は計測が2回走った日です。「どちらかの回で表示されていれば表示」として数えています(詳しくは次の章)。

母数の扱いを変えると、同じ期間がこう見えます。
| 数え方 | 6月21日 | 8月23日 | 差 | 見え方 |
|---|---|---|---|---|
| 母数を固定しない(全キーワード) | 62.3%(228語中) | 61.3%(269語中) | -1.0pt | 横ばい |
| 母数を固定する(95語で凍結) | 58.9% | 65.3% | +6.3pt | 上昇 |
同じデータです。母数の扱いを変えただけで、見え方が変わりました。
ただし、この6.3ポイントを「増えました」と言い切ることはできません。95語という母数では、1つの時点の値に約4.9ポイントの誤差幅があります。2つの時点を比べるときの誤差幅は、約6.9ポイントです。
6.3ポイントの差は、その内側に収まっています。上がっているように見えますが、誤差の幅の中の話です。単調に増えてもいません。8月上旬に71.6%まで上がったあと、8月下旬には65.3%へ下がっています。
「AI Overviewは増えている」とは、このデータからは言えません。言えるのは「6割前後で推移している」ことと、「上がっているように見えるが、誤差の幅に収まっている」ことの2つだけです。判断を変えるには、母数を増やすか、期間を伸ばす必要があります。
出現率が121.6%になった日|AI Overviewの計測で起きた分母のずれ
冒頭に書いた、もう1つの妙なことです。
集計を始めてしばらくして、出現率が121.6%になった日がありました。7月5日です。率が100%を超えることはありません。計算がどこかで壊れていました。
原因は、その日の計測が2回走っていたことでした。236語のうち232語が、2行ずつ入っていたのです。
| 数えていたもの | 件数 | |
|---|---|---|
| 分子 | AI Overviewが表示された行(2回分を含む) | 287 |
| 分母 | キーワード数(重複を潰した後) | 236 |
| 結果 | 287 ÷ 236 | 121.6% |
| 数え直し | 157 ÷ 236(どちらかの回で表示されていれば「表示」) | 66.5% |
分子だけが2回分を含んだままでした。分母は重複を潰した後の数だったので、率が100%を超えたのです。
もう1つ、数え直しで気づいたことがあります。2回の計測で結果が食い違った語が、23ありました。1回目は表示されて2回目は表示されない、という語です。
分子の規則を変えると、同じ日の出現率はこう動きます。
| 分子の規則 | 表示された語 | 出現率 |
|---|---|---|
| どちらかの回で表示されていれば「表示」 | 157 / 236 | 66.5% |
| 1回目の結果だけを使う | 142 / 236 | 60.2% |
| 両方の回で表示された語だけ | 134 / 236 | 56.8% |
分母を決めても、分子の規則を決めないと率は定まりません。
以後は、日付とキーワードの組で重複を潰し、分子の規則も明記してから数えています。
この失敗と、母数を固定した話は同じ根を持っています。どちらも「何を数えているか」を確認していなかったことが原因でした。率を見るときは、分子より先に分母を見る。次に分子の規則を見る。今のところ、これが結論です。
121.6%は明らかにおかしいので、すぐ気づけました。ただ、これが63%と67%の違いだったら、たぶん気づかずに記事にしていたと思います。おかしいと分かる壊れ方をしてくれたのは、運がよかっただけです。
実際、その後の8月に、別の集計で「母集団に何が入っているか」を確認し忘れる失敗をしました。そちらの訂正は、noteの記事に追記します。同じ種類の失敗を、1か月のうちに2回しています。
道具を増やしても、片づかないと感じたら
自分の仕事をAIで組み直している途中経過を、週1回お送りしています。うまくいった数字も、壊れた話も、そのまま書いています。
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AI Overviewの引用元ドメイン上位8|1位はYouTube、2位はGoogle
引用元として表示されたドメインを数えました。2026年8月30日時点です。
| 順位 | ドメイン | 回数 | 全参照931件に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 1 | www.youtube.com | 106 | 11.4% |
| 2 | www.google.com | 100 | 10.7% |
| 3 | note.com | 44 | 4.7% |
| 4 | pro-webwriter.com(このサイト) | 23 | 2.5% |
| 5 | biz.moneyforward.com | 19 | 2.0% |
| 6 | studyhacker.net | 11 | 1.2% |
| 7 | freelance.levtech.jp | 10 | 1.1% |
| 8 | asana.com | 9 | 1.0% |
9位は8回で5つのドメインが並びました。freee、Dropbox、Lychee Redmine、フリーランスハブ、クラウドワークスです。ここから下は差がなくなるので、8位で切っています。
この日の総参照数は931件、AI Overviewが表示されたのは178件、引用元のドメインは401種類でした。

上位2つはYouTubeとGoogle自身です。合わせて206回で、全参照931件の22%をこの2つが占めています。
ただし、枠が埋まりきっているわけではありません。401種類のドメインが引用されています。個別のサイトが入る余地はあります。単一のドメインとして見たときに、この2つだけ桁が違う、という話です。
3位がnote.com、4位が自分のサイトでした。この並びが何を意味するのかは、まだ答えを出せていません。次回書きます。
引用元の顔ぶれを追っていると、AIがURLをどう扱っているのかが気になってきます。実在しないURLを、権威あるものとして出してくる例も実際に確認しました。詳しくはハルシネーションとは? AIが権威URLすら偽装する3つの実例とライターの防ぎ方にまとめています。
ここまで読んだ人に、ひとつだけ。匿名で、押すだけです。10人を超えると、どの答えが多いかの割合が出ます。
自分の記事がAI Overviewに引用されているか、確かめたことはありますか?
よければ一言。何のキーワードで確かめたか。
ありがとうございます。同じ答えの人が、ここにいます。
自分の記事がAI Overviewに引用されているか、その場で確かめる方法
ここまで計測の話をしてきましたが、確かめるだけならツールは要りません。3つの手順でできます。
- 自分の記事が狙っているキーワードを、Googleで検索します
- AI Overviewが表示されるかを見ます
- 表示されたら、引用元のリンクを開いて、自分のサイトがあるかを確かめます
これを月に1回、主要な記事の分だけやれば、傾向はつかめます。私が週次で自動化しているのは、キーワードが300語近くあって手作業が現実的でないからです。10本や20本なら、手で見たほうが早く終わります。
やってみると分かりますが、AI Overviewが出ない語もそれなりにあります。私の計測でも4割前後は出ていません。出ない語については、今のところ通常の検索結果だけの勝負です。まずここを分けて考えるだけでも、記事ごとの打ち手は変わります。
noteと自サイトに同じ主題を置く実験|次回確かめること
同じ主題の記事を、noteにも置いてあります。
noteの記事では「内容は同じでも、置き場所が違えば結果が変わるのか」と書きました。ただ実際には、この記事は数字を更新し、構成も変えています。揃えているのは主題だけです。ここは正確に書いておきます。
試しているのは、同じ主題を別の場所に置いたとき、結果が変わるのかどうかです。引用されるか、検索順位が付くか。その両方を見ます。置き場所で差が出るなら、どこに書くかの判断そのものが変わります。
- noteの記事と、この記事の、どちらが先に検索順位を取るか。取るなら何位か
- 3位note.com・4位自分のサイト、という引用元の並びが何を意味するのか
- 引用元ページの文字数について、前回の記事に載せた数字の訂正
月に一度、同じ形で続けます。
AI検索が前提になった後の身の振り方については、Webライターやめとけ?4つの構造と、AI時代に奪われない人の動き方に書きました。
道具を増やしても、片づかないと感じたら
自分の仕事をAIで組み直している途中経過を、週1回お送りしています。うまくいった数字も、壊れた話も、そのまま書いています。
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