「タスク管理ができない…」と感じ、日々増え続けるタスクに圧倒されていませんか?
タスク管理がうまくできていないときは、仕事が間に合わないだけでなく一つひとつの仕事の質も低下したり、ストレス要因になったりするなどの弊害が生じます。
達成感が得られず、モチベーションが低下するケースもあるでしょう。
この記事では、タスク管理が苦手な人が陥りがちな原因を分析し、具体的な改善策を7つのステップで解説します。
さらに、おすすめのタスク管理ツール「Amplenote」「Heptabase」「TickTick」「Todoist」「Notion」を活用した、より効率的なタスク管理方法もご紹介します。
「タスク管理ができない」と感じてしまう原因
タスク管理ができないと感じる原因は人それぞれですが、ここでは代表的な3つの原因をご紹介します。
その具体的な状況、そしてそれらが引き起こす問題について詳しく解説します。
タスクの全体像が把握できていない
タスクの量が多いときにありがちなケースが、全体像が把握できなくなっている状態です。
「やるべきことがたくさんありすぎて、身動きが取れない」といった状態のときはだいたい全体像が見えていないことが根本の原因であると考えられます。
具体的な状況とそれによって生じる問題は以下のとおりです。
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具体的な状況:
- 頭の中だけでタスクを管理しようとして、具体的な内容や量を把握できていない
- タスクリストを作成しているものの、定期的に更新されておらず、最新の状態を反映していない
- 複数のプロジェクトやタスクが混在しており、それぞれの関連性や依存関係が整理できていない
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引き起こされる問題:
- どのタスクから着手すべきか判断できず、時間を無駄にしてしまう
- 重要なタスクを見落としてしまい、後から慌てて対応することになる
- 常にタスクに追われている感覚があり、精神的なストレスを感じやすい
全体像が見えていない場合は、何から手を着けてよいか分からなかったり、タスクの完了の見込みが立てられなかったり、と問題が多数発生するため、予定どおりにタスクを進めるのはほぼ不可能です。
優先順位がつけられない
タスクの重要度や緊急度が判断できず、どのタスクから取り組むべきか迷ってしまうのも、タスク管理ができないと感じる大きな原因の一つです。
優先順位がつけられない状況は、そもそも優先順位に対する意識が低いケースと、仕事量などの兼ね合いから適切な判断ができていないケースが考えられます。
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具体的な状況:
- やるべきことの順序を気分で決めてしまい、緊急性の高い仕事が後回しになってしまう
- 緊急度の高いタスクにばかり気を取られ、重要なタスクが後回しになってしまう
- 他人の依頼や頼まれごとを断れず、自分のタスクが圧迫されてしまう
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引き起こされる問題:
- 重要なタスクが遅れてしまい、大きな損失につながる
- 常に時間に追われて余裕がなくなり、仕事の質が低下する
- 優先順位が低いタスクに時間を割いてしまい、成果が出にくい
進捗管理ができていない
タスクの進捗状況を把握できていないと、締め切り間近になって慌てて作業することになりかねません。
せっかくタスク管理をしようとリストアップしていたとしても、それらのことが無駄になってしまいます。
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具体的な状況:
- タスクの進捗状況を記録しておらず、どの程度進んでいるのかわからない
- 締め切り直前までタスクの存在を忘れてしまい、あわてて作業することになってしまう
- 複数のタスクを並行して進めているため、それぞれの進捗状況が把握しきれない
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引き起こされる問題:
- 締め切りに間に合わず、信頼を失う
- 質の低い成果物しか出せず、評価が下がる
- 常に時間に追われてストレスを感じ、モチベーションが低下する
タスクの進捗状況を管理するには、タスクを細分化して状況を可視化しやすい状態にしておかなくてはなりません。
これらの原因を解消し、効率的なタスク管理を実現するためには、具体的な対策が必要です。
タスク管理ができないときの行動パターン
タスク管理ができないときの行動パターンとして、以下のような具体例があります。
名称 |
行動パターン |
結果 |
完璧主義 |
完璧にこなそうとするあまり、タスクに着手できない、または完了までに時間を必要以上に費やしてしまう。 |
タスクがなかなか終わらない、または着手できず、他のタスクに影響が出る。 |
先延ばしグセ |
気が進まないタスクや難しいタスクを後回しにしてしまう。 |
締め切り間際になって慌てて作業することになり、質が低下したり、間に合わなかったりする。 |
見積もりミス |
タスクにかかる時間を過小評価してしまう。 |
スケジュールが破綻し、他のタスクに影響が出る。 |
割り込みに弱い |
他のタスクや急な依頼に気を取られ、集中力が途切れてしまう。 |
1つのタスクに集中できず、効率が低下する。 |
マルチタスク |
複数のタスクを同時進行しようとする。 |
注意力が分散し、1つ1つのタスクの質が低下する、またはミスが増える。 |
これらの行動パターンの一つひとつは、一見すると些細な問題のように思えるかもしれません。
しかし、これらの積み重ねがタスク全体の効率を低下させ、大きな問題に発展するケースも考えられます。
例えば、「完璧主義」は、タスクの開始の遅れやタスク完了までの所要時間の長期化につながります。
「マルチタスク」については、仕事をする以上は避けられない部分があるため、負荷が集中しないように準備を整える必要があるといえるでしょう。
これらの行動パターンを自覚したうえで改善を検討することが「タスク管理ができない」状況を打破するきっかけになるでしょう。
タスク管理ができない状態を抜け出すための7つのステップ
タスク管理ができないと悩んでいる方は、この章でご紹介する7つのステップを実践することで、状況を改善できるでしょう。
7つのステップをひとつずつ解説します。
タスクの洗い出し: 頭の中をクリアにする第一歩
タスク管理の最初のステップは、頭の中にあるタスクを全て書き出すことです。
書き出す方法は、紙のノート・付せん・Webアプリなど、どれでも問題ありません。
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具体的な方法:
- 思いつくままにタスクを書き出します
- 仕事だけでなく、プライベートのタスクも全て書き出します
- タスクの内容を具体的に書き出すように意識します(例:「プレゼン資料作成」→「プレゼン資料のラフ案作成」)
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効果:
- 頭の中が整理され、タスクの全体像を把握できるようになります
- 忘れているタスクを思い出すきっかけになります
- タスクを書き出すことで、心理的な負担が軽減されます
優先順位付け: 重要なタスクを見極める
タスクを書き出したら、次に優先順位をつけます。重要度と緊急度を考慮して、どのタスクから取り組むべきか判断します。
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具体的な方法:
- アイゼンハウワーマトリックスなどのフレームワークを活用して、タスクを分類します
- 自分一人で完結できるタスク・他人に依頼するタスク・他人の協力が必要なタスクに分類します。
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効果:
- 限られた時間の中で、本当に重要なタスクに集中できるようになる
- 生産性が向上し、より多くの成果を上げられるようになる
<用語解説>
アイゼンハウワーマトリックス:タスクを「重要で緊急なタスク」「重要だけど緊急ではないタスク」「緊急だけど重要ではないタスク」「重要でも緊急でもないタスク」に分類する方法。
4つに分類することで、大事なことに集中して取り組めるようになるでしょう。
スケジュール化: タスクを時間軸に落とし込む
優先順位をつけたタスクを、具体的なスケジュールに落とし込みます。
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具体的な方法:
- カレンダーやスケジュール管理ツールなどを活用し、タスクに具体的な期限を設定する
- 各タスクにかかる時間を予測し、スケジュールに組み込む
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効果:
- タスクの期限を意識することで、先延ばしを防ぎ、計画的にタスクを進められるようになる
- 時間配分を最適化することで、効率的にタスクをこなせる
- スケジュールを可視化することで、進捗状況を把握しやすくなる
スケジュールを立てる際には、バッファを意識して少し余裕を持たせることを習慣づけるとよいでしょう。
細分化: 大きなタスクを小さな一歩に変える
大きなタスクは、そのままでは取り掛かりにくく、先延ばしにしてしまいがちです。
そこで、大きなタスクを小さなタスクに分割する(=細分化する)ことで、取り組みやすくします。
「タスク管理が苦手」という人は、細分化が苦手なケースが多いので、細分化を意識するだけで劇的にタスク管理のしやすさが改善されることもあります。
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具体的な方法:
- 大きなタスクを達成するために必要な具体的なステップを洗い出し、それぞれを小さなタスクとして設定する
- タスクの細分化が難しい場合は、ゴールを明確にしてから必要なステップを洗い出す
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効果:
- 大きなタスクから小さなタスクにすることで、心理的なハードルを下げる
- 小さなタスクを完了するたびに達成感を得られ、モチベーションを維持しやすくなる
- タスクの進捗状況を把握しやすくなる
見える化: 進捗状況を常に把握する
タスクリストやカレンダーなどを活用して、タスクの進捗状況を可視化します。
スマホアプリ・PCのデスクトップ・卓上カレンダーなど、身近なものを利用するとよいでしょう。
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具体的な方法:
- タスク管理ツールやアプリを使用して、目に止まりやすい箇所でタスクを管理する
- タスクの進捗状況を随時更新し、完了したタスクはチェックを入れる
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効果:
- タスクの全体像や進捗状況を常に把握する
- 締め切りが近づいているタスクを早期に発見し、対応する
- 進捗状況を可視化することで、モチベーション維持しやすくする
見える化の際には、タスクの進捗や完了の管理も重要です。
必ず期日を設定しながら、対策を進めましょう。
定期的な見直し: スケジュールとタスクの最適化
スケジュールやタスクの進捗状況を定期的に見直すことで、状況の変化に対応し、より効率的なタスク管理を実現できます。
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具体的な方法:
- 毎日、または毎週決まった時間に、スケジュールやタスクリストを見直す時間を設ける
- 優先順位や期限の変更が必要なタスクがあれば、適宜調整する
- 完了したタスクを振り返り、改善点があれば次のタスクに活かす
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効果:
- 状況の変化に柔軟に対応できるようになる
- スケジュールやタスクの無駄を省き、効率化を図れる
- 常に最適な状態でタスク管理を進められる
ツールを活用: タスク管理を効率化する
タスク管理ツールを活用することで、タスク管理を効率化し、より生産性を高めることができます。
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具体的な方法:
- 自分に合ったタスク管理ツールを選び、積極的に活用する
- ツールの機能を最大限に活用し、タスク管理の自動化や効率化を図る
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効果:
- タスク管理にかかる時間を短縮し、他の業務に集中できるようになる
- タスクの漏れや重複を防ぎ、より正確なタスク管理を実現できる
- チームメンバーとの情報共有がスムーズになり、連携が強化される
タスク管理ができない人におすすめの管理術
タスク管理ができないことで悩んでいる方は、ご自身に合ったタスク管理の方法を実践してみるとよいでしょう。
この章では、僕自身が実践している3つのタスク管理手法について解説します。
GTD(Getting Things Done)
GTDは、頭の中にあるタスクを全て書き出し、具体的な行動計画に落とし込むことで、ストレスを軽減し、効率的にタスクを処理する方法です。
「収集」「処理」「整理」「レビュー」「実行」の5つのステップでタスク管理を行います。
GTDのメリット
GTDは、デビッド・アレン氏が提唱したタスク管理手法で、「頭の中にあるものを全て書き出し、次に何をすべきかを明確にする」というシンプルな原則に基づいています。「収集」「処理」「整理」「レビュー」「実行」という5つのステップでタスクを管理し、常に頭の中をクリアな状態に保つことを目指します。
GTDは、前章の7ステップと大きく変わる部分はありませんが、より行動が具体的に記載されています。
特に「収集」と「処理」のステップにおいては、タスク全体像を把握し、優先順位をつけるうえでとても効果的です。
GTDは、タスクを頭の中から外部にすべて書き出すことにより負担の軽減やタスク全体像の客観視につながります。
行動に移す際の精神的な負担を最小限に抑えられるため、タスク管理ができない人や苦手な人も取り組みやすい手法といえるでしょう。
関連リンク:【GTDとは?】ストレスをゼロ化し、時間を10倍にする5つの秘訣
カンバン方式
カンバン方式は、タスクを「To Do(未着手)」「Doing(進行中)」「Done(完了)」などのステータスに分けて、視覚的に管理する方法です。
タスクの進捗状況を視覚的に把握できるため、チームでのタスク管理にも適しています。
カンバン方式は、タスク管理の「見える化」を強化した手法です。
進捗状況を視覚的に表現することで、全体の状況把握やボトルネックの箇所を簡単に発見できます。
タスクの工程が完了するたびにカードを移動させるという行為により達成感を感じられるため、モチベーション維持が難しくてタスク管理ができない方におすすめの手法です。
ポモドーロテクニック
ポモドーロテクニックは、25分間の集中作業と5分間の休憩を繰り返す時間管理術です。
タイマーを使って時間を区切り、集中力を維持しながらタスクに取り組むことで、効率を向上させられます。
ポモドーロテクニックは、基本ステップのスケジュール化と細分化を組み合わせたような手法です。
タスクを25分に分割するため、時間を意識してタスクに集中しやすくなります。
タスク管理が苦手な人は、25分間のなかでどこまでタスクを進めるかについて目標を設定しながら取り組むとよいでしょう。
ポモドーロテクニックは、先延ばしグセを解消したい場合にも効果的です。
タスク管理ができない人におすすめのツール5選
タスク管理が苦手な人におすすめのツールと、ツールを活用したタスク管理術を解説します。
1. Amplenote: 柔軟性の高いオールインワンツール
Amplenoteは、ノート、タスク管理、カレンダーを統合したオールインワンツールです。
柔軟性の高いインターフェースで、自分だけのタスク管理システムを構築できます。
私がふだんからタスク管理やノートのデータベース化に使用しているツールでもあるのですが、Amplenoteならではのメリットは進捗状況の把握がしやすいことだと思います。
タスクをカレンダーに落としこめること、チェックボックスを設定してリストを消し込みできることなど、進捗管理に効果的なツールです。
Amplenoteの活用事例
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日次レビュー: 毎朝Amplenoteを開き、その日のタスクを確認し、優先順位を調整する。
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アイデアのタスク化: 思いついたアイデアをノートに書き留め、タスクとしてスケジュールに組み込む。
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進捗管理: タスクの進捗状況を随時更新し、完了したタスクはチェックを入れる。
2. Heptabase: 複雑なプロジェクト管理に最適
Heptabaseは、複雑なプロジェクト管理に特化したツールです。
関連性の高いタスクを紐付けたり、タスクの依存関係を可視化したりすることで、プロジェクト全体の進捗状況を把握できます。
大規模なプロジェクトや複数のプロジェクトを同時進行する際に役立ちます。
Heptabaseの活用事例
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プロジェクトの全体像を把握: タスク間の関連性を可視化し、プロジェクトの全体像を把握する。
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ボトルネックの早期発見: タスクの依存関係を分析し、ボトルネックとなっているタスクを早期に発見する。
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リスク管理: プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで監視し、リスクを早期に検知する。
3. TickTick: シンプルで使いやすいタスク管理アプリ
TickTickは、シンプルで直感的に操作できるタスク管理アプリです。
タスクのリマインダー機能やカレンダーとの連携機能など、基本的な機能が充実しています。
初心者でも手軽にタスク管理を始められます。
TickTickの活用事例
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タスクの可視化: タスクをリスト化し、締め切りや優先度を設定する。
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リマインダー設定: 締め切りが近づくと通知を受け取り、タスクを忘れないようにする。
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習慣化: 習慣化したいタスクを登録し、毎日実行する。
4. Todoist: 高機能なタスク管理アプリ
Todoistは、高機能なタスク管理アプリです。タスクの優先順位付け、プロジェクト管理、ラベル付けなど、細かな設定が可能です。
タスク管理に慣れてきて、より高度な機能を求める人におすすめです。
Todoistの活用事例
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プロジェクト管理: プロジェクトごとにタスクを分類し、進捗状況を管理する
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フィルター機能: ラベルや優先度でタスクを絞り込み、必要なタスクだけを表示する
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Karma機能: タスクを完了するたびにポイントが貯まり、モチベーションを維持できる
5. Notion: カスタマイズ性の高い万能ツール
Notionは、ノート、データベース、タスク管理など、様々な機能を備えた万能ツールです。
テンプレートやAPI連携など、カスタマイズ性が高く、自分だけのワークスペースを構築できます。タスク管理だけでなく、情報整理やプロジェクト管理にも活用できます。
Notionの活用事例
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データベース連携: タスクと関連情報をデータベースで一元管理する
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テンプレート活用: タスク管理のテンプレートを活用して、効率的にタスクを管理する
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API連携: 他のツールと連携して、自動化を進める