この記事では、「ポモドーロテクニック」という時間管理術について解説します。
ポモドーロテクニックは、25分の集中と5分の休憩を1つのセットとする時間管理術です。
タスクを実行する際などにうまく業務に取り入れることで、集中力を維持しながら一つひとつのタスクを確実に終了させられます。
この記事では、ポモドーロテクニックの具体的なやり方やメリットだけでなく、よくある失敗例や応用方法も紹介します。
さらに、ポモドーロテクニックをより効果的に活用するためのツールも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ポモドーロテクニックとは?驚くほど集中力が高まる時間管理術
ポモドーロテクニックを実践する前に、まずはその仕組みを理解しておきましょう。
ポモドーロテクニックとは、25分間のタスクと5分間の休憩とを繰り返すことで高い集中力を発揮する方法です。
しかし、ポモドーロテクニックを実践しようとすると、「25分だとあっという間過ぎるけど、本当に効果があるのかな?」「25分間ではリズムが作れないけどどうしたらよいのかな?」などの不安や疑問が生じる方もいるかもしれません。
メカニズムも併せてポモドーロについて詳しく知ることで、その疑問が解消されるでしょう。
ポモドーロテクニックの概要
ポモドーロテクニックは、1980年代後半にイタリアの大学生、フランチェスコ・シリロによって考案された時間管理術です。
彼は、集中力を維持するのに苦労しており、トマト型のキッチンタイマーを使って25分間の作業と5分間の休憩を繰り返すことで、効率的にタスクをこなせることを発見しました。
「ポモドーロ」とはイタリア語でトマトを意味し、このタイマーの形にちなんで名付けられました。
ポモドーロテクニックの基本的な考え方・仕組み
ポモドーロテクニックの基本的な考え方は、人間の集中力が持続する時間には限界があるという点にあります。
諸説ありますが、多くの学説でいわれいる大人の平均的な注意力持続時間は45分前後です。
この注意力持続時間なかで集中力がピークに達するのが15~20分で、その後徐々に低下していくことが指摘されています。
参考:長時間よりも休憩を入れた学習に成果、ベネッセと東大が調査
ポモドーロテクニックは、集中力のサイクルを効果的に設定できるように25分間の集中と5分間の休憩をセットにしているということです。
ポモドーロテクニックの3つのメリット
ポモドーロテクニックを実践することで、仕事や学習の効率が飛躍的に高めることが可能です。
この章では、ポモドーロテクニックによってもたらされる3つのメリットをご紹介します。
集中力UP
ポモドーロテクニックの25分という作業時間は、科学的な根拠に基づいた集中力を最大限に高めてくれる時間です。
人間の集中力のピークは15~20分の頃であり、その後は少しずつ低下していくといわれています。
ポモドーロテクニックの25分のタイマーが、締め切りとして高価を発揮するのです。
特に目の前のタスクに集中したいときにはポモドーロテクニックが効果的です。
そして、5分の休憩によって、脳をリフレッシュさせられます。
リフレッシュすることで、次のポモドーロも高い集中力を発揮できるのです。
このサイクルの繰り返しにより、常に高い集中力を発揮して仕事に臨めます。
生産性向上
ポモドーロテクニックは、集中力を高めるだけでなく生産性の大幅な向上にもつなげられます。
集中力の高い状態でタスクに取り組むことで、ダラダラと作業をしてしまう状態を防ぎ、時間内にタスクを終わらせようという意識が働きます。
集中力の高い状態を繰り返すことで、ミスが減り、より質の高いアウトプットを生み出したり、創造的なアイデアが生み出されたりしやすいということです。
また、ポモドーロテクニックはマルチタスクを避けたいときにも効果的です。
1つのタスクに集中することで、質の高いアウトプットを生み出すことができ、結果的に生産性が高まります。
時間に対する意識の変化
ポモドーロテクニックを繰り返すことで、時間に対する意識が大きく変化し、時間管理能力が向上します。
25分という時間枠を意識することで、時間の流れをより細かく把握できるようになるためです。
またタスクをポモドーロ単位で見積もることで時間配分を最適化し、やるべきことを確実に実行できるようになります。
さらにポモドーロテクニックは時間に対する不安や焦りを軽減する効果も期待できます。
タイマーを設定して、その間にやるべきことを設定することで、25分間そのタスクにのみ集中すればよいとの安心感を感じられるためです。
ポモドーロテクニックのやり方を4つのステップで解説
ポモドーロテクニックは、たった4つのステップで実践できます。
難しいルールや複雑な手順は必要ありません。
この章では、誰でも簡単に実践できるポモドーロテクニックのやり方をご紹介します。
ステップ1:タスクを選ぶ
ポモドーロテクニックを始める前に、その日に取り組むタスクを選びます。
タスクの個数は、ポモドーロの設定時貫や一つひとつのタスクにかかる時間から逆算して計算します。
このときに重要なことは、25分間で集中して取り組めるタスクを選ぶことです。
もしもタスクが大きすぎる場合は、タスクの細分化により25分間以内にできる範囲に細分化しましょう。
ただし、朝の段階ですべてのタスクが決まっていない場合がほとんどだと思われるため、タスクの設定は少し余裕をもたせておいて、必要に応じて追加します。
ステップ2:タイマーをセットする
次にポモドーロタイマーをセットします。
ポモドーロの基本時間はタスク25分間・休憩5分間です。
個人差があるので、仕事をしやすい時間に変更しても問題ないですが、科学的な裏付けのある時間なのでポモドーロ初心者の方はまずは基本に忠実に設定されることをおすすめします。
最初のうちは、25分間があっという間で少し物足りなく感じられるくらいだと思います。
ポモドーロタイマーは、PC上のツールでもアプリでもどちらでも問題ありません。
個人的には、PC画面に設定するよりも、卓上にポモドーロ専用のタイマーを置いた方がタスクの進行がはかどります。
特にタスクの最中に打ち合わせが入ったり、電話が入ってタスクを中断せざるを得なくなったときなどは、ツールやアプリだと不都合に感じることがあります。
なお、私がポモドーロを測るタイマーはWebにあるアプリやChromeの拡張機能ではなく、ポモドーロタイマーを使用しています。
ポモドーロタイマーにはいくつか種類があってそれぞれ細かい仕様は異なっているのですが、私が使用しているのは、6つの時間(3分・5分・10分・20分・30分・60分)を簡単に計測できます。
時間が計測できるだけのことなので、100円均一のキッチンタイマーでも代用可能です。
しかし、タスクに集中したいからこそシンプルに計測できることがポモドーロのモチベーションにつながります。
なお、PCやモバイルでの計測も問題ないのですが、個人的にはタスクを一次停止忘れて会議中にアラームが鳴るリスクを考えて積極的には利用していません。
ステップ3:タスクに取り組む
タイマーが鳴るまで、集中してタスクに取り組みましょう。
タスクの最中にほかのタスクが思い就いたときには、ToDoリストに書き加えて、ポモドーロが終わった後に処理するとよいでしょう。
ToDoリストの作成方法は、「仕事を効率的に進めるToDoリストの作り方と使い方:実例を用いながら解説で解説しているので、より詳しく知りたい方はぜひチェックしてください。
タスクに取り組む際のコツは、ポモドーロ中は、同じ場所で仕事することです。
もしもオンラインで仕事をしている場合は、グループチャットなどでメンバーにポモドーロ進行中であることを共有しておくとより効果的です。
声がけすることで、邪魔をされないようにするとともに、同じチームのメンバーにも集中してタスクに取り組むように促すことができます。
タスク4:休憩する
タイマーが鳴ったら作業を中断して、5分間の休憩をとります。
5墳丘系は集中力の回復に効果的です。
休憩時間は、軽く伸びやストレッチをしたり、深呼吸をしたりして、心身をリラックスさせましょう。
PC作業をしている方は、目を休ませることも重要です。
タスク5:繰り返す
ポモドーロ・テクニックは、1回切りではなくセットを繰り返してこそ効果が発揮されます。
25分間のタスク+5分間の休憩を1セットとして、4セット繰り返したら20分の休憩をとるなど、メリハリをつけた時間の使い方をすると効果的です。
仕事のスタイルによっては、長い休憩を取りづらいことも考えられるため、ご自身の働き方にあった繰り返し方を選びましょう。
ポモドーロテクニックのよくある失敗例と対策
ポモドーロテクニックは、シンプルで効果的な時間管理術ですが、手軽さが災いして誤った方法で実践されてしまうケースも少なくありません。
せっかくのポモドーロテクニックの効果を最大限に引き出すために、よくある失敗例と具体的な対策をご紹介します。
失敗例1.休憩時間を守らない
ポモドーロテクニックでは、25分間の作業時間後に5分間の休憩をとることが推奨されていますが、作業に夢中になって休憩時間を無視したり、短縮したりしてしまう方がいます。
しかし、休憩は集中力を回復させるための重要な時間です。
休憩をしっかり取らないとポモドーロテクニックの効果は期待できません。
効果的な対策としては、休憩時間にやるべきことをあらかじめ決めておくことです。
ストレッチや軽い運動など、休憩時間にやるべきことが明確にしておくことで、しっっかりとリフレッシュできます。
失敗例2.集中できない
ポモドーロを導入しても結果的に集中できないケースも珍しくありません。
例えば周囲が騒がしかったり、音楽を流したりするなどののいい図が聞こえる環境では、集中力の維持が困難になります。
可能な限り、静かな場所で仕事をするように心がけましょう。
どうしても周囲の騒音をシャットアウトできない場合は、耳栓を使用したり、スマホやPCの通知をオフにしたりするなどの対策も効果的です。
ほかにタスクが明確化されていなかったり、デジタルツールを利用することで結果的にスマホやPCの別の作業を始めてしまったりするなどの失敗要因にも注意しましょう。
失敗例3.割り込みに対応できない
ポモドーロの歳チュ運胃電話やメールなどの割り込み(ほかの仕事)が入ることがあります。
割り込みに上手く対応できないと、集中力が切れ、ポモドーロの効果が薄れます。
割り込みに対する完全な方法はありませんが、心に留めておきたい対策は以下の2つです。
- 事前に割り込みを予測しておく:ポモドーロを始める前に緊急性の高いタスクを処理したり、電話やメールの返信時間を設定したりすることで、割り込みを最小限に抑えましょう。
- 割り込みルールを設定する:例えば「緊急の要件以外はポモドーロ後に対応する」といったようにルールを設定することで、割り込みによる集中力の低下を防止できます。
失敗例4.タスクを詰め込みすぎる
25分のタスク時貫の中に複数のタスクを詰め込みすぎると、集中力が分散し、高い集中力を発揮できないことがあります。
できるだけ25分間で完結できるように適切にタスクを設定しましょう。
このとき、タスクが大きな塊のまま残っていると時間の見込みを立てることが難しいため、タスクの細分化をするくせづけをしましょう。
また、優先順位を付けて、重要なタスクから先に取り組むことも大切です。
失敗例5.ポモドーロ中に他のことをしてしまう
ポモドーロ中は、目の前のタスクに集中するようにしましょう。
メールチェックやSNSの閲覧など他のことをしてしまうと集中力が途切れてしまいます。
ポモドーロ中はできるだけスマホやPCの通知をオフにすること、他のことをやろうとする誘惑に打ち替えてるように意識しましょう。
ポモドーロテクニックをGTDに応用する方法
ポモドーロテクニックを効果的に実践するには、GTDの考え方を応用すると効果的です。
この章では、GTDを使ってポモドールロテクニックを応用して、より生産性を向上させる方法をご紹介します。
GTDの5つのステップとポモドーロテックの融合
GTDは以下の5つのステップで実践できるタスク管理のフレームワークです。
1.収集:頭の中にあるタスクをすべて書き出す
2.処理:書き出したタスクを分析して具体的な行動を求める
3.整理:タスクをプロジェクトやコンテキストごとに分類する
4.レビュー:タスクリストを定期的に見直し、優先順位や状況を整理する
5.実行:タスクを実行する
ポモドーロテクニックは、GTDの実行の部分において、特に効果を発揮します。
また、GTDでは一つひとつの作業時間の見込みを立てながらタスクを分類するため、GTDを実践することでポモドーロテクニックのスキルも向上するでしょう。
GTDにおいてポモドーロテクニックを実践する方法
GTDにポモドーロテクニックを実践するには、タスク実行の際に25分のタイマーをセットします。
ポモドーロテクニックもGTDもとてもシンプルな手法なので、これらを連携させる方法もとにかくシンプルです。
GTDでは一つひとつのタスクをInboxに入れる際にToDoリスト化しますが、その際に見込みの作業完了時間を設定します。
そして必要に応じてタスクの細分化をして取り組みやすいようにタスクを整理します。
もしも見込み時間が25分以上かかってしまうタスクがあれば、事前にToDoリストを分類する際に細分化しておきましょう。
ポモドーロテクニックにおすすめのツール5選
ポモドーロテクニックをより効果的に実践し、生産性を最大限に高めるために、便利なツールを活用しましょう。ここでは、ポモドーロタイマー機能だけでなく、タスク管理や時間管理にも役立つツールを5つ厳選して紹介します。
ツール名 |
種類 |
プラットフォーム |
ポモドーロテクニックとの関連性 |
ノートアプリ |
Webブラウザ, Mac, iOS |
ポモドーロタイマー機能はありませんが、タスク管理機能やカレンダー機能が充実しており、ポモドーロテクニックと組み合わせて日々のタスク管理に活用できます。 |
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Webブラウザ, |
Webブラウザ, |
ポモドーロタイマー機能はありませんが、タスク管理機能やデータベース機能が豊富で、ポモドーロテクニックで取り組むタスクの管理や進捗状況の把握に役立ちます。 |
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Focus To-Do |
ポモドーロタイマーアプリ |
Webブラウザ,iOS, Android |
ポモドーロタイマーとタスク管理機能が一体化しており、ポモドーロテクニックに特化したアプリです。シンプルなインターフェースで使いやすいのが特徴です。 |
プロジェクト管理ツール |
Webブラウザ |
ポモドーロタイマー機能はありませんが、カンバンボードやガントチャートなど、視覚的にタスク管理できる機能が豊富で、ポモドーロテクニックと組み合わせてプロジェクト全体の進捗管理に役立ちます。 |
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時間追跡ツール |
Webブラウザ,, Mac, iOS |
ポモドーロタイマー機能はありませんが、作業時間を記録・分析する機能が充実しており、ポモドーロテクニックでどのタスクにどれくらいの時間がかかっているかを把握できます。 |
Amplenote
Amplenoteは、タスク管理、メモ、カレンダーを統合したオールインワンのノートアプリです。ポモドーロタイマー機能はありませんが、以下の機能を活用することで、ポモドーロテクニックを効果的に実践できます。
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タスク管理機能: タスクに優先順位をつけたり、期日を設定したりすることで、ポモドーロで取り組むタスクを明確にできます。
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カレンダー機能: ポモドーロテクニックの実践時間をカレンダーに組み込むことで、日々のスケジュール管理を効率化できます。
Notion
Notionは、タスク管理、メモ、データベースなどを自由に組み合わせられる高機能なノートアプリです。ポモドーロタイマー機能はありませんが、以下の機能を活用することで、ポモドーロテクニックをより効果的に実践できます。
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データベース機能: タスクの進捗状況やポモドーロ数などをデータベースで管理することで、ポモドーロテクニックの効果を分析できます。
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テンプレート機能: ポモドーロテクニック用のテンプレートを活用することで、タスク管理を効率化できます。
Focus To-Do
Focus To-Doは、ポモドーロテクニックに特化したアプリです。シンプルなインターフェースで、初心者でも簡単にポモドーロテクニックを始められます。
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ポモドーロタイマー: カスタマイズ可能なタイマー設定で、自分のペースに合わせてポモドーロテクニックを実践できます。
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タスク管理機能: タスクリストを作成し、ポモドーロ数を見積もることで、タスクの進捗状況を管理できます。
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統計機能: ポモドーロ数や集中時間などを記録し、日々の成果を可視化できます。
Upbase
Upbaseは、チームでのプロジェクト管理に特化したツールです。ポモドーロタイマー機能はありませんが、以下の機能を活用することで、チーム全体でポモドーロテクニックを実践できます。
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カンバンボード: タスクの進捗状況を視覚的に管理できます。ポモドーロテクニックで取り組むタスクを「進行中」に移動させ、完了したら「完了」に移動させることで、チーム全体の進捗状況を把握できます。
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ガントチャート: プロジェクト全体のスケジュールを管理できます。ポモドーロテクニックで取り組むタスクの時間をガントチャートに組み込むことで、プロジェクト全体の時間管理を効率化できます。
Toggl Track
Toggl Trackは、作業時間を記録・分析するための時間追跡ツールです。ポモドーロタイマー機能はありませんが、以下の機能を活用することで、ポモドーロテクニックの効果測定に役立ちます。
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時間追跡機能: ポモドーロテクニックで取り組んだタスクの時間を記録することで、どのタスクにどれくらいの時間がかかっているかを把握できます。
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レポート機能: 記録した作業時間を分析することで、ポモドーロテクニックの効果を測定し、改善点を見つけることができます。
まとめ|ポモドーロテクニックで生産性を最大化しよう
ポモドーロテクニックの最大の魅力は、そのシンプルさです。
25分間の集中と5分間の休憩という短いサイクルを繰り返すだけで、驚くほどの集中力と生産性の向上を実感できます。
これは、人間の集中力のリズムに合わせた科学的な根拠に基づいた方法であり、多くの成功者が実践していることからも、その効果は明らかです。
しかし、ポモドーロテクニックはただ闇雲に実践すれば良いというわけではありません。
休憩時間を守らない、集中できない環境で作業する、割り込みに対応できないなど、いくつかの落とし穴があります。これらの失敗例を理解し、適切な対策を講じることで、ポモドーロテクニックの効果を最大限に引き出すことができます。
また、ポモドーロテクニックは、GTD(Getting Things Done)などのタスク管理術と組み合わせることで、さらに効果を発揮します。GTDでタスクを整理し、ポモドーロテクニックで集中してタスクを実行することで、圧倒的な効率化を実現できます。