失敗しないWebライター外注方法|プロのライターが解説
オウンドメディアのブログ記事作成時に、外部のWebライターに依頼して失敗した経験をもつ方は少なくありません。
私izumiはWebライターとして4年・Webディレクターとして1年の経験がありますが、私もWebライターに外注をして失敗をした経験があります。
むしろ、期待以上の記事が上がってくることの方が珍しいです。
せっかくプロのWebライターに依頼をしたのにひどい経験をしてしまうと、自社のブログ記事をどのように作成すればよいか途方に暮れてしまいますよね。
この記事では、企業のWeb担当者の方がコンテンツの外注の際に困ることのないように、Webライターの外注方法を解説します。
Webライター外注の際に起こる失敗例
コンテンツ制作における「失敗」の定義やパターンはそれぞれだと思いますが、企業にとっての損失はコンテンツの成果が現れず、売上や集客が増えないことです。
例え記事のクオリティに満足をしたとしても、利益やブランディングにつながらなければ「成功」とはいえません。
Webライター外注時の失敗例を具体的に紹介します。
- 文章が読みにくい
- Webサイトの閲覧数が伸びない
- 記事作成の意図をライターが理解していない
- 記事内容が事実に反する
- 記事のレベルが読者層にマッチしていない
これらに該当すると、結果的には集客アップ・売上アップに結びつかないという結果につながります。
その根拠は2つ。
- Googleの仕組み(Googleは読者にとって有益な情報を上位表示する仕組み・アルゴリズムを設けている)
- 読者の行動(ただ情報をまとめただけの記事は購買には結びつかない)
企業のWeb担当者や上層部が期待されるような、Webコンテンツによる売上アップを実現するには、これらの問題をすべてクリアした高品質な記事が必要とされます。
Webライター外注の失敗が生じる原因とは?
プロのWebライターに依頼をしたにも関わらず失敗してしまうことを疑問に感じる担当者の方は少なくないかもしれません。
しかし、残念ながら成果が現れないケースは決して少なくありません。
この章では、なぜWebライターの外注の際に失敗が生じるのかという点を失敗項目別に解説します。
文章が読みにくい
文章が読みづらくなってしまう根本の原因は、以下のとおりです。
- 日本語が間違っている
- ライター自身の文章のクセが強い
- 誤字・脱字が多い
Web担当者の方々から見れば、プロのWebライターがこれらのレベルのミスをするのは信じられないかもしれませんが、コンテンツのディレクションをしていると、これらは日常茶飯事です。
逆にいえば、オウンドメディアの記事制作はそれほど難易度の高いものであるということです。
ライター側の考えとしては、専門性の高い分野やニッチな業界の記事を執筆する際には、情報の整理自体にかなり頭をつかうため、簡潔に表現をすることが難しくなるケースはあります。
サイトのアクセスが増えない
サイトの流入が増えない原因は、必ずしもコンテンツの問題とはいえません。例えば、Webサイトの設計自体に問題があったり、サイトがGoogleからのペナルティを受けていたりして、良質な記事を書いても上位表示が難しい状況もあります。
とはいえ、WebライターがSEOをあまり理解していないケースも見られます。そして、WebライターがSEOを理解しているか否かを見極める方法は、それほど難しいものではありません。
〇WebライターがSEOを理解しているか否かをチェックするポイント
- タイトルや見出しにキーワードが設定されている
- キーワードのテーマに沿って記事が書かれている
- 読者のニーズ・疑問にしっかりと寄り添った記事が書けている
細かいテクニックは多数ありますが、記事を読んで上記のポイントが押さえられていればライターがSEOを意識して記事を執筆している可能性は高いでしょう。
逆に、キーワードのテーマとは関係のないテーマについて書かれていたり、記事内にキーワードが盛り込まれていなかったりする場合は記事を公開してもアクセスアップの効果は期待できません。
ライターが発注側の意図を理解していない
ライターが発注側の意図を理解していないケースでは、かなり大きな問題のある記事になります。実際によく見られる具体例を紹介します。
- 依頼者の商品・サービスよりも競合他社の商品・サービスを強くオススメしている
- 依頼者の商品・サービスに関する訴求が一切ない
- 執筆のテーマが大きくズレている(飲食店運営に関する記事を依頼したにもかかわらず飲食店の選び方について執筆されるケースなど)
これらの問題が生じるのは、事前のコミュニケーションが不十分だったり、ライターが営業に関する理解が低かったりする場合に起こりがちです。
特に、営業職の経験・実績のないWeb担当者の場合、募集要項から意図をくみ取るのが苦手なケースが多いため、注意しましょう。
記事の内容が事実に反する
記事に書かれた情報が事実に反する場合には、読者からの信頼を大きく失います。
特に、リサーチ力の低いライターに依頼をしたり、インターネット上に十分な情報がないニッチな業界の記事を依頼したりする場合には、この問題が多く発生します。
記事のレベルが読者層にマッチしていない
誰でもわかるような当たり前のことばかり書かれていたり、一部の人しかわからないような語句が注釈なしに使用されていたりするケースも多々あります。
私が、ディレクションをしていて実際に直面した文章を紹介します。
(当たり前すぎることを記載した文章)「写真を撮影をする際には、日光を利用しましょう。日光は、室内よりも明るく、また無料で利用できます」
(専門的な用語の注釈がないケース)「このカーテンの最大の魅力は、両サイドにパイピングが施されていることです」
これらの、レベルに合致しない文章・語句が続くと、大半の読者はサイトを離れてほかの記事を探すことになるでしょう。
Webライターを外注する基本的な方法|どの方法が失敗しない?
プロのWebライターに記事を依頼する方法は、いくつかあります。そして、依頼する方法によって、失敗の確率はかなり異なります。
発注方法によるメリット・デメリットとあわせて解説します。あらかじめお伝えすると、どの方法で外注を依頼しても、失敗のリスクが0になるわけではありません。
クラウドソーシング
最も低単価で発注できる方法はクラウドソーシングです。
例えば、業界最大手のクラウドワークスには数万名ものWebライターが登録をしていると言われています。クラウドソーシングでは、文字単価1円程度で発注をかけても、かなりの数のライターからの応募が集まるでしょう。
クラウドソーシングのメリットとデメリットは以下のとおりです。
〇メリット
- 登録者数が多いため、対応可能なライターを探しやすい
- 急な依頼にも対応できるライターが見つかりやすい
- 低単価で発注をしてもライターが見つかることが多い
〇デメリット
- ライターの品質が担保されていない
- ディレクションを自社でおこなわなくてはならない
- 希望の品質に満たなかったときの対応に不安が残る
クラウドソーシングを効果的に活用するには、いくつか条件があります。
- 自社でディレクション(キーワードの選定や構成の作成)できる
- ライターから納品された原稿を自社スタッフでチェックしてリライトや的確な修正依頼の対応ができる
- 継続して依頼するライターと密に連絡を取れる
社内でのコンテンツ制作のノウハウが高ければ高いほど、クラウドソーシングをうまく利用できる可能性が高まります。
コンテンツ制作・記事制作代行業者
コンテンツ制作会社や記事制作代行業者は、ライティングに加えてディレクション・画像選定などの業務もワンストップでおこなう業者です。
コンテンツ制作のプロであるため、クラウドソーシングに依頼をするよりも一定の品質を担保できる可能性が高いでしょう。そのかわり文字単価は5~10円程度と、クラウドソーシングと比べるとかなり高額です。
コンテンツ制作会社のメリット・デメリットは以下のとおりです。
〇メリット
- 1か月に100記事以上の大量生産が可能
- SEO対策・画像選定・WordPress入稿などの作業の依頼が可能
- ディレクションを一任できるため、納期管理や支払いなどがすべてワンストップで依頼できる
〇デメリット
- 単価が高い
- 専門的な分野の場合は、コンテンツ制作会社に専門の担当者が在籍していない場合がある
- 業者の選定が難しい
制作代行業者に依頼をした場合には、Web担当者の工程は大きく軽減されますが、コストに見合う成果が得られるか否かが重要なポイントです。
Web制作会社・SEO代行業者
Web制作会社やSEO代行業者に記事制作を依頼することも可能です。
これらの多くは、業者のコンテンツ制作部門や外部のコンテンツ制作会社に制作を委託する形で記事作成がおこなわれます。
したがって、メリット・デメリットに関しては、コンテンツ制作会社への依頼のケースとほとんど変わりません。強いていえば、Web制作会社やSEO代行業者に依頼した場合は、ホームページリニューアルやほかのSEO施策とセットで記事作成を依頼できるため、より依頼者側の負担は小さくなるでしょう。
一方で、単価は高めに設定される傾向があります。
SNS
TwitterやWantedlyなどのSNSにて記事制作を依頼することも可能です。メリット・デメリットはクラウドソーシングでの募集のパターンと基本的に同じです。
ただし、SNSでは第三者を介さずに直接契約になるため、契約途中で連絡がつかなくなってしまったり、請求書のやりとりの際にトラブルが生じたりしがちです。
手数料がいっさいかからない点はメリットですが、最も上級者向けの依頼方法であるといえます。
Webライターの外注で担当者が失敗しないためのポイント
Webライターに記事を外注する際には、どの方法であっても失敗が生じるリスクがあります。そして、失敗のリスクを減らすためには、Web担当者が必要な知識を押さえることが求められます。
この章では、Webライター発注の際にWeb担当者が知っておかなくてはならないポイントを解説します。
記事制作の意図・目的を理解する
Webコンテンツから売上・集客のアップを目指すためには、コンテンツの意図・目的が重要です。
どのようなターゲットに対してどんなメッセージを伝えるのかということが明確になっていなければ、闇雲に記事をアップしても成果にはつながりません。
このとき、Web担当者の方がしっかりと意図・目的をイメージできていれば、大きなズレを回避できます。
SEOについての知識を押さえる
意図・目的を達成するためにはSEOの知識が必要です。例えば、目的を達成するためには、どのようなキーワードで記事を執筆すべきかという答えを探すためには、SEOに基づいて考えなくてはなりません。
また、ライターからの納品物をチェックする際にもSEOを理解したうえで、記事の質を評価する必要があります。
SEOに関しての知識がほとんどない場合には、クラウドソーシングやSNSで募集をしても成果に結びつかないリスクが大きいため、コンテンツ制作会社やSEO会社に依頼されることをオススメします。
ライターと二人三脚で記事を作成する
プロのWebライターに依頼をするからといって、記事制作を丸投げできるわけではありません。Web担当者とライター・制作会社は、協力してコンテンツを制作する姿勢が重要です。
Web担当者側がおこなうべきことを紹介します。
- レギュレーションや執筆の最低限の決まりごとの連絡
- 情報提供(自社の資料・参考サイト・競合のサイトなど)
- ライターからの質問・確認に対する迅速な対応
これらのほかに記事に使用する画像の選定やWordPress入稿などを自社側でおこなうと、ライターはスムーズに執筆作業に集中できます。
ちなみに、レギュレーションの適切な設定方法は「Webライティングのルール|Web担当者が設定すべきレギュレーション」にて解説しているので、詳しく知りたい方はぜひチェックしてください。
相場をふまえて記事発注をする
特にクラウドソーシングで依頼をする際には、低単価でもライターからの応募は集まります。
ただし、低単価で集まるライターは実績のないライターが大半です。自社側でしっかりとディレクション・リライトできる場合は、あえて低単価のライターに記事を依頼して自社側で仕上げるという形をとることもできますが、一般的には相場価格を下回らない金額での記事発注をオススメします。
Webライティングの相場について詳しく知りたい方は、「Webライターの依頼費用相場はどのくらい?適正な文字単価とは?」にて詳しく解説しているので、あわせてチェックしてください。
まとめ:失敗しないWebライター外注
Webライターの外注は失敗例が大量にあります。
高品質な記事の依頼ができないと、予算をムダにしてしまうだけでなく、いつまで経ってもWebからの流入が期待できません。
重要なポイントを一つにしぼるとすれば、Web担当者の方自身が最低限のWebライティングのポイントを理解して、ライターに丸投げしない体制を整えることです。
Web担当者がスキル・知識をつければつけるほど、良質なライターに遭遇できるチャンスは広がります