ブログ記事の構成案の作り方|Web担当者・Webライター向け
ライティング記事の構成が作成できるようになると、Webライターは文字単価1円以上の案件を安定して受注できるようになります。
つまり、構成案の作成はWebライターにとっては生命線であるといっても過言ではありません。
そして、構成案の作成はライティングを外注依頼する企業のWeb担当者にとっても重要項目です。Web担当者が構成案の作り方を理解すれば、外注の記事のクオリティを格段に安定させられるためです。
この記事では、WebライターにとってもWeb担当者にとっても極めて重要性の高い記事構成案の作成方法を解説します。
ブログ記事の執筆には欠かせない構成案作成とは?
Webライティングやディレクションの経験が浅い方にとっては、そもそも構成案の作成がどのようなものなのかピンとこないのではないでしょうか?
構成案とは、簡単にいえばどのようなターゲットに向けてどんな記事を執筆するのかという、記事の骨子のようなものです。
構成案を作成するためには、以下の情報を明確にする必要があります。
- タイトル案
- ターゲットイメージ
- ターゲットのもつ悩みや解消したい疑問
- 見出し・小見出しの構成
- 記事のゴール
良質な記事を書こうと思ったら、記事のゴールから逆算して読者にとって最も伝わる順序で文章を組み立てなくてはなりません。
構成案は、ライターとディレクターが記事のイメージをつかむために作成されるものです。
Web担当者にとっての構成案作成のメリット・効果
Web担当者にとって、構成案作成スキルは最も重要なスキルの1つです。この章では、構成案作成のメリットや効果を通じて、どれほど重要なスキルであるかということを解説します。
ライターの記事の品質が安定する
構成案をあらかじめ設定しておくと記事の方向性が大きくズレることはありません。反対に構成案を設定せずにライティングを依頼すると、以下の問題が発生するリスクが生じます。
- 記事の依頼の意図がまったく反映されていない
- 自社の商品やサービスや商品が説明されていない説明書のような記事
- 競合サイトとほぼ同じ内容・構成の記事
ライターの立場でいえば、競合サイトと構成が同じ記事を納品するのはよくありませんが、構成案なしで執筆してクライアントの意図が反映できないのは無理もないことだと考えます。
クライアントの意図はそれぞれ異なるためです。優秀なライターであれば、構成案がなくとも執筆前にクライアントの意図をしっかりと確認をとりますが、構成案も事前の確認もなく記事を執筆してクライアントの要望にこたえるのは大変なことです。
構成案をあらかじめ作成することで、記事のクオリティが安定します。
連絡・修正業務を最小限に抑えられる
あらかじめ構成案を決定しておくことで、連絡事項や修正業務を最小限に抑えられます。
構成案が定まっていないまま記事を書き始めると、Webライターから記事の書き方や方向性についての問い合わせが多くなります。また、納品された作品の内容によっては多くの修正業務が発生します。
構成案を確認したあとの記事関しても修正業務は発生しないわけではありません。しかし、方向性が固まった上での修正であるため、修正ポイントがかなり少なくなり、さらに修正のポイントも具体的で明確なものになります。
Webライティングの外注費用を抑えられる
構成案をWeb担当者自身が作成して、骨子を作ってからWebライターに記事を依頼する場合、ライターの発注単価を抑えられます。
なぜなら、クライアントの意図に沿った構成案を作成できるWebライターは高スキルであるため発注単価が高い傾向があるためです。構成・ディレクション・校正がパッケージされた記事作成代行業者に依頼をした場合にはなおさらです。
あくまでも目安ですが、構成案の有無によりライティングの外注単価の相場は以下のように変動します。
種類 | 文字単価の相場 |
構成スキルのないライター | 1.0円前後 |
構成スキルのあるライター | 1.5円~ |
記事作成代行業者 | 5.0円~ |
上記は、ライターとして3,000記事以上執筆し1年以上ディレクターを担当してきた私の感覚値です。もちろん、Webライティングには構成以外のさまざまな要素があるため、構成ができるか否かだけでは計れない部分もあります。
とはいえ、構成のスキルはライティングにおいて非常に重要であることは間違いありません。その構成を自社でおこなうことにより、単価の低いライターに依頼をしても一定の品質が確保されます。
Webライターにとっての構成案作成のメリットとは?
Webライターにとって構成案作成スキルは極めて重要なスキルの一つです。構成案が作成できるかどうかによって、文字単価1.0円の壁を突破できるかいなかが決定づけられます。
掛け合わせのスキルや営業力次第では、1.5円・2.0円と文字単価を高めていくことも可能です。
ただし、構成案が作成できないかぎりは文字単価1.0円の壁はなかなか破れません。
構成案の作成がなぜそれほど重要であるのかについて解説します。
クライアントからの信頼が高まる
クライアントからの要望に応えられれば、おのずとクライアントからの信頼は高まります。
クライアントの担当者はどのような記事が納品されるのかついて不安に思いながら待っていることが多いため、事前に構成案にて確認が取れると安心するものです。
Webライターの人数は非常に多いものの安心して執筆を依頼できるライターにはなかなか遭遇できないこともあり、構成案をしっかりと作成してくれるライターはかなり重宝されるでしょう。
作業効率がアップする
執筆スピードが早くならないことについて悩んでいる方は、構成案を作成して執筆するクセをつけることで悩みが解決される可能性があります。
構成案の作成に慣れてくると、記事のターゲット・ゴール・流れなどを作るスキルが高まるため、執筆スピードが安定するためです。「書いては消して…書いては消して…」といったことによる非効率から解放されるでしょう。
私は、ここまでの約2,800文字を1時間強で執筆してします。構成案作成にかかった時間は30分程度です。
記事の難易度やリサーチ時間などによっても異なりますが、5,000文字の案件であれば3~4時間で構成から最終確認までできるようになりました。
ライティングスキルがアップする
構成案を作成し続けていると、ライティングスピードだけではなくスキルもアップします。クライアントの意図・読者ニーズ・強み・弱みなどを意識することが習慣化されるためです。
これらは、どこで記事を執筆する場合でも共通して求められる項目であり、無意識に意識できるようになると必然的に論理的な文章が書けるようになります。
結果的に、やや難易度の高いBtoBの案件なども対応できるようになるでしょう。そして、ライティングスキルのアップは当然ながら単価のアップにつながります。
記事の構成案作成の書き方・手順
この章では、記事構成案の書き方・手順を解説します。こちらの手順に沿って構成案を作成すれば、一定水準以上の記事ができあがります。
キーワード選定
自社商品やサービスの購入や読者の悩みの解消につながるキーワードを選定します。
キーワード選定の際に最も重要な点は、検索件数です。商品やニーズと関連性があったとしても、検索件数が0だと読者に読まれることはありません。
Googleキーワードプランナーなどのツールを用いて、検索ニーズをチェックしましょう。私の場合は、より深くキーワードサーチをするために、SERankingという有料ツールを使用しています。
ターゲットの選定
キーワードの選定と同時進行で読者ターゲットの選定をおこないます。
ターゲットを選定する際に理解しておかなくてはならないのは、オフラインとオンラインとでターゲットが異なるケースが多々あることです。
例えば、オンラインではオフラインではアプローチできない遠方の顧客に対しても簡単に情報を提供できます。
ターゲット選定といえば「ペルソナの設定」が一般的ですが、ペルソナを設定するか否かはマーケティング施策次第です。私の場合は、ペルソナまで絞り込みをせずに年齢層・価格帯・ニーズ・地域などをイメージして執筆します。
※ペルソナ:最も典型的な読者イメージ。年齢・収入・地域・趣味・性格・行動パターン・職業・役職・家族構成など個人に関する仮想の情報を細かく設定。
検索ニーズの絞り込み
検索ニーズを絞り込むことも重要です。
検索ニーズの絞り込みとは、狙っているキーワードを検索する際にユーザーがどのような意図をもっているのかを確認することを指します。
検索ニーズの絞り込みのために通常おこなわれるのは、共起語と上位サイトの分析です。
共起語とは、指定の検索ワードと同時に検索されている語句のことで、以下の確認方法があります。
- サジェストワードの確認
- 共起語ツールの利用
また、上位記事の確認については、以下のツールを利用するとスムーズです。
記事のゴール・CTAの設定
記事のゴールやCTAを設定することも重要です。CTAとはCall to Actionの略称で、ユーザーに取ってもらいたい行動を喚起するための誘導のことを指します。
ブログ記事では、購入・問い合わせ・資料請求などが具体的なゴール・CTAになるでしょう。自社が希望する行動を顧客にとってもらいたいかを明確にすることにより、記事の構成を組み立てやすくなります。
見出し・小見出し作成
キーワード・共起語・ターゲット・ゴールなどを総合的に判断しながら、見出しと小見出しを作成します。
SEOの観点において重要なことは、見出しの作り方です。
論理的な見出し構成担っていないとGoogle・読者からの評価が下がりやすくなり、閲覧回数が伸びない記事になります。特に重要な点は、以下の点です。
- 階層に矛盾がないこと(必ず大見出しー中見出しー小見出しの順で段落が組まれていること)
- MECE構造であること
※漏れもダブりもないきれいな見出し構造 - 結論や重要な点を前半に記載すること
見出しの作り方についてより詳しく知りたい方は「プロのWebライターによるブログの見出し・小見出しの作り方解説」の記事にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
記事の構成案作成のコツ・ポイント
構成案は、コツやポイントを押さえると効率的に作成できます。
より業務をスムーズにするためにも、押さえておきましょう。
書式はWord・ExcelでOK
構成案の作成は、WordもしくはExcelファイルを使用するケースが一般的です。最近では、Googleドキュメントやスプレッドシートもよく利用されています。
個人的には、どちらかといえばWordファイルGoogleドキュメントによる構成のほうが好みです。あくまでも好みの問題ですが、Wordのファイルの方が全体を見通しやすく、そのまま記事の執筆に移行できるためです。
テンプレートを使用することで作業が効率的に!
構成案は、テンプレートがあります。
私の場合は、クライアント様作成の構成案をそのままテンプレートのように使用することが多かったです。
多くのクライアントと仕事をするライターの場合は、クライアントごとに書式が変わるのはそれなりに大変なので、発注側としてもできるだけオーソドックスな書式を用意するのが望ましいでしょう。
だからこそ、テンプレートを使用するのは理にかなっているともいえますね。
ターゲットのニーズがわからないときは質問サイトやSNSを活用する
検索ワードのターゲットニーズがわかりづらかったり、深掘りできなかったりすることがあります。
そのようなケースでオススメしたいのがヤフー知恵袋のような質問サイトやSNSなどでの検索です。これらのサイトでは、一般消費者が悩みや疑問を投稿していることが多いので、ピンポイントでユーザーの悩み・疑問にリーチできることがあります。
特にBtoCの業界でのニーズのリサーチにオススメの手法です。
また、革新的なサービスやニッチな分野の商品・サービスなど既存の市場にてリサーチが難しいサービスもあります。そのようなケースでは、現在の検索ニーズはあまりあてになりません。
営業サイドやマーケティング部門と密に打ち合わせをおこなってニーズを洗い出し、Webライターと共有する必要があります。
オリジナリティを加える
既存の記事の情報を拾い集めただけでは、「まとめ記事」にしかなりません。ホームページのドメインパワーの強い大手企業であればそれでも検索結果の上位表示が可能な場合もありますが、Googleのガイドラインの基本に忠実に対応するならばオリジナリティが必要です。
セールスライティングを得意とする優秀なライターであれば、細かく指示を出さなくてもオリジナリティを加えた記事を執筆してくれるケースがあります。ただし、構成案の段階でオリジナリティの部分についても共有しておく方が望ましいでしょう。
記事の構成案を効果的に活用する方法
構成案は活用法を工夫することで、より効果的に利用できます。この章では、記事の構成案の活用法を解説します。
Web担当者は構成案を作成してから発注すべし!
Web担当者が記事を発注するときに大切なことは、ライターに記事を執筆するまえに構成案を完成させておくことです。
とはいえ、構成案を作成する時間が取れなかったり、構成案の作り方を学ぶ時間が取れない方もいらっしゃるでしょう。そのようなケースで取れる対策は2つあります。
1点目は、記事作成代行業者に記事の作成を依頼することです。業者に依頼すれば、担当者やディレクターがSEOに沿って記事の構成から作成してくれます。業者によっては、記事納品の前段階で記事の構成を提出してくれることもあります。
2点目は、ライターだけではなくコンテンツディレクターを外注することです。ディレクターに記事のとりまとめを依頼することにより、チームとしてWebライティングを依頼することが可能です。
ディレクションは、高度なライティングスキルをもったプロに依頼する必要がありますが、ディレクターにすべての記事を執筆してもらうよりディレクションのみ依頼した方が費用を抑えられます。
また、ライティングよりもディレクションの方が作業時間が短く済むため、1人のディレクターに多くの記事を発注できます。
ライティングのが意中においては、ライターとのやりとりを最大限にスムーズにすることが重要です。
Webライターは自主的に構成案を提出すべし!
Webライターが案件を受注した場合には、自主的に構成案を作成するようにしましょう。
そして、スケジュールの都合もありますが可能であれば記事を納品する前に見出し・小見出しまで作成した段階でクライアントやディレクターに内容の確認をしましょう。
このときOKが出れば自信をもって記事を執筆できます。また、修正依頼が例え入ったとしても、クライアントからの信用が低下する心配はありません。むしろ、修正業務が最小限で済むことや対応のきめ細かさに対して好印象を抱かれます。
また、結果的に構成案をつくれるようになれば記事のクオリティがあがり、高単価ライターになれるでしょう。
記事の構成案の実例
実例として、この記事を執筆する際に作成した構成案を公開します。
記事を執筆しながら微調整することもあるため、構成案から微調整している部分はありますが、基本的に構成案に沿って執筆をしています。
今回の例では、あくまでも私自身で構成を作成して記事も書いているので、自分用のメモの意味合いが強いですが、Web担当者とライターとで情報共有する場合には情報共有を意識した内容にしましょう。
参照サイトなども適宜記載しておくとスムーズです。
記事構成案まとめ
記事構成案は、Webライティングの生命線です。
構成案が適切に作られているか否かによって記事の品質の8割が決定づけられるといっても過言ではありません。
だからこそ、Web担当者にとってもライターにとっても記事の構成案を作成するスキルは非常に重要です。発注側・ライター側のどちらが構成案を作成するにせよ、双方がスキルを持っている方が良い記事の構成ができるためです。
構成の作り方を一とおり把握したら、実際に構成を作ったりチェックしたりして慣れることが大切です。
構成を作るのは最初は大変な作業だと思われるかもしれませんが、5~10本くらい作ってみるとかなり楽に作れるようになるでしょう。品質の高い記事作成のために、ぜひトライしてください。